福津市が国土交通省に対し「うに」を持参して陳情を行っていた問題で、平成17年(2回)、18年、19年の4回にわたる陳情の折、福津市側から公式な陳情書・要望書など公式な文書を発行することなく、単なる口頭でのお願いのみであったことが明らかとなった。
多額の出張旅費を使い、「うに」まで持参した福津市の陳情は、結果的に国土交通省の公式文書にも残らない、ただの「お願い」であったことになる。
改めて、陳情行政の無駄を考えるべきとの声も上がりそうだ。
福津市が国土交通省及びその出先に対して提出した要望等の公式文書は、
・平成18年 2月 北九州国道事務所宛 (宗像市と共同提出)
・平成18年 10月 九州地方整備局宛 (宗像市と共同提出)
の2枚以外には残されていなかった。
つまり、「うに」持参の陳情で、4回も東京の国土交通省を訪問しながら、全て口頭でのお願いを繰り返していたことになる。
当然、国土交通省側には公文書として福津市側の陳情内容は残らないことになる。
平成18年11月の陳情時については、福津市の担当職員も、特別に陳情書などは持っていかず、事業の計画書などで説明したことを認めていた。
全ての「うに」持参陳情が、口頭でのお願いであり、挨拶程度のものと受け取られても仕方あるまい。
現に、国交省側の調査は2週間もかかったわりに、「うに」も行方不明となってしまっている。平成17年の陳情については、国交省側が、「調査事態を勘弁してくれ」という始末である。
文書さえ残っていない陳情に、果たしてどれほどの効果があったのか疑問である。
こうした陳情行政の在り方そのものに問題があるということを、「うに事件」が提起しているのではないだろうか。
福津市の4回の陳情には、税金が使われている。そのことの重みを福津市や議会は感じ取っているのだろうか。
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