中央区の歴史的な遺産というと・・
浜崎:
平野国臣の銅像や、貝原益軒の碑とか、加藤司書の碑とか、いろいろな見所がありますよ。商工会議所やコンベンション・ビューローを中心になって唐人町周辺を歩いて楽しむ、という試みもやっております。「長崎さるく博」をイメージしてもらえればよいかと思いますが。
各校区毎に「ウォーキングマップ」を作成していただいて、「まち歩き」をしやすい環境を整備しています。
また、NPO法人鴻臚館・福岡城跡歴史・観光・市民の会による「福岡城観月の宴」なども行われており、中央区の歴史遺産と人々をネットワークする触媒の役割を果たさなければならないと感じています。
実は非常に歴史に興味がありまして、かつて福岡市の生活文化部長在任中には、ちょうど大河ドラマ「北条時宗」が放送されていたものですから、「中世博多展」を企画しました。
そういう経緯があったもので、博多部の歴史についてはすごいものがあると感じていましたが、中央区にきてみると、こちらも負けず劣らず凄いものがありました。そこを上手く活かせれば、と思います。
上手く活かすといえば、平尾校区では「野村望東尼」を総合学習に取り入れています。
6年生が演劇をして、郷土の偉人に親しむことが続けられていますし、秋には平尾山荘で「野村望東尼祭」が開かれています。こうして、地域の歴史を引き継ぎ、まち作りに活かしてある好例ではないでしょうか。
当仁校区では、小学校の1年生から6年生までが班をつくり、平野国臣の像や加藤司書の碑を巡る歴史散策をしています。そこでは、地域の方が、それぞれの場所で、歴史を教えてくれます。
2011年に九州新幹線が開通しますが、新たに福岡に来てくれる方々に、こういう「地域資源」が新たな福岡の魅力となるようにしていきたいですね。
あまり知られてはいませんが、舞鶴校区には「玄洋社記念館」もありますね。
話は変わりますが、中央区の課題と展望について、お聞かせ下さい。
浜崎:
中央区は5年間で約半数の人口が入れ替わります。ともすれば、人と人とのつながりが希薄になりかねません。そこが一番の課題です。そこをどのように克服していくか。
自治協議会や公民館長さん、マンション管理組合の方々とワークショップを行って、「マンション居住者と地域とのつながり」について議論しています。今後は「あるべき姿」についてまとめていく方向です。転出入が多いと言うことは、考え方を変えれば、いろんな人材が地域に入ってくるということでもあります。お互いに「活かし合う」ということを模索していくことが必要です。
つづく
編集・構成:日下部晃志
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