◆ウルトラC「修正案」提出の情報も
ふくおかネットワークは、統一地方選挙で1議席増加し、現在3議席を有する。吉田市長に対しては市長選挙の折、政策協定を結び支持した経緯がある。
しかし、未だに態度を鮮明にしていない。市議会関係者の話では、ふくおかネットワークの政策目標は、留守家庭子ども会の無料化以上に、制度のサービス向上にあるのではないかという。現場のお母さんたちに近いという会派だけに、当然といえば当然である。
確かに、取材すると留守家庭子ども会に子どもを預ける親たちからは、施設整備・保育時間延長等、保育サービス向上への要望のほうが多いのである。
加えて、吉田市長と選挙時に結んだ政策協定の大半が、反故に近い形になっていることも見逃せない。特に市長の人工島見直しの公約が、「事業推進」に舵を切ることになった点を「変節」と厳しく批判している。
子ども病院移転先を人工島にしたことも、ふくおかネットワークの主張とは隔たりがある。(ふくおかネットワークは子ども病院移転先を、九大六本松跡地と主張)
留守家庭子ども会事業についても、吉田市長が進める全児童対象の放課後対策事業に飲み込まれる恐れがあるため、ここでも考え方に違いが出ている。
留守家庭子ども会は「保育」であるが、全児童対象の放課後対策は所管も違う上に、内容も曖昧である。働くお母さんたちは、単に子どもの遊び場を求めているのではなく、子どもの「安心・安全」を求めている。吉田市長が子育てを理解しているとは思えないが、いずれにしてもふくおかネットワークの主張とは相容れない。
こうしたことから、市長案への賛成は、ふくおかネットワークの政治姿勢を自己否定することにもなるとの指摘には、うなずかざるを得ない。
仮に、ふくおかネットワークの3議員が、自民・みらい案に賛成した場合、市長案30に対し、自民・みらい案29ということになる。実に微妙な情勢である。
残る3人の市議の意思次第で、どちらにも転ぶ可能性が生じる。
福政市民クラブは、大森市議と藤本市議の2人会派である。大森市議は統一地方選までは、みらい福岡所属であり、留守家庭子ども会の無料化には反対の姿勢をとってきた。この姿勢は変わらないと見られている。
藤本市議は無料化に近い考えだったとも言われるが、今回の騒ぎには一貫して批判的である。市政にとって、もっと議論すべき大切なことがあるだろうというのが本音ではないか。
何より、肝心の子どもたちや親たちを置き去りにした議論の在り方に疑問があるという。
会派を組む大森市議との関係もあり、苦しい立場ではないか。そうなると、採決の際、退席・棄権ということも考えられる。
それでも、大森市議が自民・みらい案に賛成すると30対30になる勘定である。
(もちろん、ふくおかネットワークの3人の市議が、自民・未来案を選択した場合に限るのだが・・・。)
唯一、無所属を貫く高山市議はどう考えているのだろう。実は、同市議の動向が重要な意味を持ってくるのである。
取材班がキャッチした、「修正案提出」の情報ともども、さらに検証してみよう。
つづく
※記事へのご意見はこちら