不動産業界は、マンションやオフィスビルなどの価格上昇に陰りが見え、首都圏でも動きが鈍ってきているが、それに拍車を掛けそうなのが金融機関の取り組み。
各銀行の動きとして、不動産に対する直接融資は控える方向が出てきており、設備投資による取得は別だが、投資案件では先ず融資が実行されることはなくなった。
それだけならまだしも、開発業者(デベロッパー)に対しても融資条件は厳しくなってきており、極力デベロッパーへの融資は控えるような動きが聞かれる。
そうした状況下で、年度末を控えて振いにかかる不動産業者が続出される懸念が高まっている。
この背景には土地価格の下落傾向がある。ノンリコローンという土地価格・収益案件を担保に7年間は金利返済のみが許される新たな融資が許可されて、これを安易に利用してきた。しかし、金融監督庁が土地価格の落ち込みを懸念して、この融資システムの規制に乗り出したことで不動産業者は窮地に追い込まれている。
加えて、福岡地元の金融機関にも不動産融資の手控えが見られており、その分をノンバンク主体での資金調達で凌いでいる不動産業者もいる。このままでは不動産、デベロッパーの淘汰が予感される時代となる。
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