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CMCスタディーツアー同行取材記―21世紀最大の負の遺産・「悪魔の兵器」地雷(10) | 未来を奪われる地雷被害者、生き抜くために(2)
特別取材
2008年3月19日 17:17

 地雷被害者がどのように生活する術を身に付けようとしているのか。その現状を知るため、AAR※の職業訓練センターに向かった。

※難民を助ける会。尾崎行雄氏の三女である相馬雪香氏(現会長)の呼びかけで結成された日本のNGO

 ここでは地雷被害者のほか、ポリオにかかっている人や事故によって手足が不自由になった人もいた。現在は17回生で、これまでの合計596名の卒業生のうち253名が地雷被害者だったという。

 訓練内容は、(1)仕立て、(2)パソコン技術、(3)電気製品修理となっている。詳細は以下の通り。

(1) 現在12名(18歳~35歳)が、主にミシンを使った仕立てを6カ月間ここで習う。メインはカバン製作。以前は服も製作していたが、最近は安価な既製品が大量に出回り市場で売っても利益が出ないため、カリキュラムから外した。地方ではカバンを買う人がいないため、卒業後はプノンペンの会社に就職する。

(2)2007年1月に設置されたクラス。現在は5名(男1、女4)で、1年間ウインドウズオフィスやフォトショップ、またハードのリペアまで一通りパソコンの基礎知識を学ぶ。パソコンができる障害者を受け入れたいという企業もあり、上手く就職に結びつけば今後も授業を続けるという。

(3)14名中9名が地雷被害者。日本語ペラペラのサミュ先生(元訓練生)から、電気製品のボルテック(電気のオーム)について習っている。卒業後は地元に帰って独立して店を開く、もしくは他の店に雇ってもらって働く、というかたちになる。


 地方から通う人のなかには、文字の読み書きができない人もいるため、まずクメール語を2週間習い、訓練の合間にも1日1時間習う。また、日本語の授業やパソコンクラスは英語の授業もある。

 入所基準として、(1)被害者もしくはそれに準ずる人で機械操作が可能な人、(2)自分の家族の了解を得ている人、(3)健康であること、(特に感染症に感染している場合は入所できない)、(4)自分の村の市場(しじょう)に仕事の需要があるか、といった項目がある。

 ここで技術を身に付けた生徒は、センターが卒業後に会社・店への受け入れ要請も行なってくれるので、おおむね就職できているようだ。またアフターケアもきちんとしており、卒業後は(1)技術不足のときは現場まで行って指導、(2)どのくらい技術が身についているのか確認、(3)卒業前後の生活の違いの確認、といったことを1人3回まで行なっている。

つづく

【大根田康介】

☆ただいま動画配信中! → カンボジア同行取材 & CMC代表・大谷賢二氏インタビュー
          


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