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「前門の小沢」と「後門の小泉」――福田政権《3月危機》の裏側(1) | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年3月 3日 16:46

 政界の状況は一変した。1月末の「議長裁定」以来、攻め口を失っていた民主党は与党の予算案強行採決を”待ってました”とばかりに審議拒否の口実にした。イージス艦事故で支持率ジリ貧の福田内閣の足元を見て反転攻勢に出たのである。
「まず日銀総裁人事で武藤敏郎・副総裁(元財務次官)の昇格を拒否し、次に石破茂・防衛大臣の問責決議で首を取る。決戦は3月末だ」
 民主党国対幹部はてぐすね引いている。

 道路関連法案を含む租税特別措置法案が3月末までに成立しなければ、民主党の主張通り4月1日からガソリン税の暫定税率は廃止され、ガソリン料金は1リットル約25円下がる。そうした事態をさけるために与党は「年度内に採決する」との議長斡旋を担保にしていたが、民主党は「強行採決で斡旋は反故になった」(鳩山由紀夫・幹事長)と強調する。まるで時計の針が1ヶ月逆戻りしたかのようだ。
 このまま与野党ガチンコ対決で進めば、福田内閣は4月はじめに絶体絶命の危機を迎える。

 しかし、自民党にも民主党にも、「土壇場の3月末にまた福田ー小沢会談が行われ、道路関連法案の修正で手打ちがあるのではないか」との見方が消えないのも事実である。


◆小沢の生き残り策

 民主党の小沢一郎・代表が強硬姿勢に転じたのは党内事情が大きい。昨年11月の大連立騒動以来、小沢氏の求心力は下がっており、9月の代表選挙に向けて反小沢勢力が勢いを増しつつある。
「無投票再選をはかりたい小沢氏にすれば、日銀総裁人事では党内に異論が強い武藤昇格を押し返し、ガソリン税問題でも成果をあげておかなければならない」
 とは、民主党幹部。当然、ガタガタの今の福田首相と連立協議を進めてもメリットはなく、だからといって、与党がこれほど不利な状況で解散・総選挙を打つ可能性は低いことはわかっている。民主党がいかに審議拒否をしても、国会空転は長くても今週までで、その後、参院で与野党の法案修正をめぐる駆け引きが始まるのは間違いない。

 焦点は道路財源の一般財源化と、暫定税率の引き下げ幅だ。
「暫定税率廃止でなくても、法案修正で税率を半分程度にして、ガソリン料金を10円程度下げることができれば、国民への公約を守ったことになる。こっちの勝ちだ」とも。

 小沢氏の攻勢は、《4月決戦》の腹を固めているというより、修正協議を有利にすすめるためのブラフだと見たほうがいい。裏を返すと、自らの生き残りのためには、大連立を捨て、福田首相の正面に立ちふさがらざるを得なくなったと言えるかもしれない。


つづく

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