2008年2月期4,150億円(連結)の売上高を予想していたベスト電器。今回の社長交代劇で会社が良くなる保証はあるのか。有薗体制維持が本音か。
同社の第3四半期(連結、3月~11月)を見ると本業の小売売上高は、前年同期比23.0%増の2,583億8,100万円に大幅増加させたものの、営業損失7億5,400万円となっている。3月10日付で完全子会社化した東京の家電量販店「さくらや」の営業赤字が露呈したことから、小売業全体が赤字になったとしている。
ところが、「さくらや」の06年2月期は売上高569億8,300万円、営業利益8億7,200万円であり決して赤字ではなく、収益も改善方向にあった。
ならば、「さくらや」は粉飾決算であったのか?「さくらや」の決算数値を鵜呑みして買収したのではと疑わしくなる。「さくらや」の売主は再建コンサルファンドのフェニックス・キャピタルであった。
ベスト電器は、大赤字必至の「さくらや」を買収した責任問題には一切触れず、社長交代劇をやってみせた。
08年2月期の連結予想では、売上高4,150億0,000万円(07年2月期 3,689億7,900万円)、当期利益12億0,000万円(07年2月期 23億4,000万円)としているが、不動産など実質的な評価損も抱えているといわれており、営業利益率0.5%の利益体質がここまで疲弊しては、目先の社長交代劇では無理、ましてや引き続く有薗体制では諦めムードも漂う。
今後「ベスト電器の企業研究」としてシリーズ掲載していく。
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