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福岡市7区長インタビュー 遠藤文彦博多区長(その5)
福岡市政ニュース
2008年3月25日 09:44

区長に就任して2年ということをお聞きしましたが、山崎前市長と吉田市長では行政の経営手法に何か違いを感じることはありますか。

遠藤:
 う~ん。すぐには思い浮かびません。違いがあるとしても、1期か2期かわかりませんが、ある程度の期間で比較しないとわからないでしょうね。

 例えば、山崎前市政で思い浮かぶのは「町世話人制」の廃止です。約2,500人で約12億円の報償費がかかっていたわけですから、経済合理性のみを考えると、不合理だった面もありますが、行政と地域とのつながりを考えると、その役割は小さくなかったと思います。ただ、前市長は「住民の自治は、山
笠の自治とは違う」という強烈な信念をお持ちでしたから、町世話人を廃止して、自治協議会を設立された。これは画期的なことだったと思います。

 基本的には両者は全く性格が違います。町世話人は市の嘱託ですからいわば公務員です。行政の末端が町中に存在していたということですが、自治協議会は住民が自分たちで決め、運営していくというコミュニティーですから、行政とは対等な位置にあるといえます。前市長の時には、行政と住民自治の
転換点があったということは言えますね。

 転換前と転換後では、まち作りのやり方も経営手法も自ずと違ってくるでしょうし、それが各市長に属人的なものなのか、それとも制度の違いによるものなのかは、にわかにはわかりません。

町世話人制を廃止したことで何か問題が生まれたということはあ
りましたか。


遠藤:

 行政の方針を一律一斉に地域に下ろしていたのが町世話人制。それがなくなったわけです。行政マンとしては不安な面はありましたよ。ただ、博多区の場合はもともと自治意識が強かったので、自治協議会制度もうまくいってるのではないでしょうか。

 行政と地域の役割をきっちりと線引きすることは非常に難しいですよね。
住民におんぶに抱っこでお願いするわけにもいかないですし、住民の皆さんも「それは行政の仕事だろう」と思っている部分だって当然あります。やはり、それは明確に仕分けるのではなくて、時代状況に合わせて、不断に、見直しや修正をかけていくものだと思います。

つづく

編集・構成:日下部晃志


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