鉄鋼価格高騰!
04年1月より高騰した第1次鉄鋼価格の大幅上昇は、中国経済の台頭が中国内の建設ラッシュを引き起こし、世界市場の鉄鋼価格を暴騰させた結果であったが、今回の第2次鉄鋼価格上昇は資源国の思惑によるものである。
ハゲタカファンドとアラブ産油国がつるんで原油を100ドルまで暴騰させたように、鉄鉱石までもが資源メジャーの喰物になっている。その結果、国内では鉄鋼製品や建設資材などへの影響が計り知れないが、現に4月から鉄鋼製品の大幅値上は避けようがない。
新日鐵では、昨年より鉄鉱石の世界最大手、ブラジルのリオドセ社と次年度(4月から)の価格交渉に当たっていたが、前年契約価格より65%値上げで2月決着。需要と供給を調べ尽くし、資源を持つ強みをリオドセ社が発揮した。
最需要国である中国(世界の鉄鋼の1/3以上を生産する国でもある)も例に違わず、昨年より65%高い世界価格で輸入することになる。原油高・鉄鋼高などの資源インフレと、最大輸入国のアメリカの景気減退は、日本や中国の経済を狂わす可能性を秘めているが、中国、インド、ベトナムの場合、景気が少々悪化しても建物を含めたインフラ整備は今後とも続き、資源の供給側が価格の支配権を持つことになる。
(資源の高騰には、BRICs諸国の経済台頭が背景にあるが、ブッシュ大統領の原油離れ・手を妬くアラブを意識したエタノール燃料化政策が、トウモロコシの相場を急騰させ、ブラジルのジャングルがトウモロコシ畑に変身。資源戦争の中、京都議定書(CO2削減)など風前の灯火と化した。)
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