3月24日に平成20年度予算を審議する北九州市議会が閉会した。北橋市政がスタートして2年目となり、北橋市長の真価が問われる本年度、北九州市がどのような方向に進もうとしているのかを、川端議員に聞いた。
Q:今回の議会が終わり、全体として川端議員の感想をお聞かせ下さい。
川端:
まだ1期目議員として理解が足りない部分があるかもしれませんが、率直な気持ちをお話ししたいと思います。
北橋市長も北九州を住みやすい街にするため苦心されていると思いますし、市民の声を聞きながら予算を策定されたと思います。
しかし、もっと積極的に集中と選択を進める必要があるのではと考えます。
市としての借金、市債残高が1兆3921億円にも膨れ上がっている中で来年度には償還がピークを迎えます。他の政令都市に比べて残高が少ないと言いますが、市債残高が2兆円を越す福岡市は既に償還のピークは過ぎていますし、税収含めた収支の構造がかなり危機的状況であることは変わりません。
市民にとって、行政が福祉や子育てなどに手厚く振舞っていれば、一見住みやすい都市のように思えますが、財政が本当に厳しい状況であれば、そのツケで次年度以降に福祉予算が大きく削られ後退する可能性も高くなります。
Q:具体的にはどういうところが課題だと思っていますか。
川端:
例えばですが、生活保護費が35億円増えています。社会問題になった生活保護申請の手続きさえ拒否されたというのは論外ですが、単純に増額するだけでは問題は解決されません。
濫給漏給の防止に努めると言ってマニュアルや問答集の徹底を考えているようですが、マニュアルは基本だとしても、もっと深く「人と人の対応」ができるように職員の意識やレベルを上げていかなければなりません。そして同時に生活保護から自立できる方策をより強化していかなければならないと思います。
また中学校の暖房予算が決まりましたが、もちろん導入できた方がいいのでしょうが、もっと全会派で議論を重ねた上で優先順位をつけてからの実施で良かったのではないかと個人的には思っています。
この他にも多くの施策が盛り込まれていますが、それぞれの事情はあるにしろ、市長にはリーダーシップをとってもらい、後年に過度の負担を残さないよう、予算編成でも「北九州の経営者」として強い意志を打ち出した方が良かったのではと考えます。
(川端耕一議員は自民市民クラブに所属、門司区選出)
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