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「前門の小沢」と「後門の小泉」――福田政権《3月危機》の裏側(2) | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年3月 4日 11:20

◆後門の「小泉」

「たとえ支持率が1ケタになろうが、辛抱するべきです。こっちから解散を仕掛けなければ野党はどうしようもない」
 予算案の強行採決の前、古賀誠・自民党選対委員長は福田首相にそう進言した。
 福田政権がどんなに追い込まれても、《早期解散なし》というのは自民党、公明党のコンセンサスとなっている。
 事実上、解散権を与えられていない福田首相が国会を乗り切るためには、かつて金融国会で小渕内閣が民主党の法案を丸呑みしたように、修正協議で民主党に大幅譲歩するしかない。

ところが、”道路族のドン”でもある古賀氏をはじめ、自民党執行部は表向き野党との法案修正に前向きな発言をしているものの、民主党が求める暫定税率の廃止や引き下げには絶対反対の構えだ。福田首相も政権を支える道路族の声を無視することはできない。
 その自民党執行部側が一番警戒しているのは活動を再開した小泉純一郎・元首相と側近グループの動き。

 小泉氏は民主党が主張する「道路特定財源の一般財源化」について、
「私も賛成だ。党内に反対する人はいるだろうが、総理がやるといえばいい」
 と、福田首相に野党との妥協を促した。一般財源化は小泉内閣の道路改革でやり残した仕事だけに、福田内閣が古賀氏ら道路族のいいなりに公共事業ばら撒きに走っていることに、小泉氏がカウンターを入れたに等しい。

「党内では中川秀直・元幹事長を旗頭にする若手議員グループや、石原伸晃・元国土交通相や塩崎恭久・元官房長官らが一般財源化を強く主張して道路族と対立している。与野党の修正協議が始まれば、彼らが民主党と手をくんで政権をかき回してくることは十分に考えられる」(町村派幹部)
 奇しくも、石原氏や塩崎氏は、金融国会で民主党の若手との協議で「法案丸呑み」を決めた当事者であり、当時、「政策新人類」と呼ばれた。当然、民主党とのパイプもある。
 道路関連法案の修正をめぐって自民党内の亀裂が深まれば、それこそ、政界再編の一つのきっかけにならないとは限らないテーマなのだ。

 福田首相にとって政権延命と7月のサミット議長を務めることが至上命題といわれるが、いまや前門には反撃に転じた”手負いの小沢”、後門には改革を迫る小泉が待ち構え、身動きが取れなくなっている。

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