福津市のマンホールポンプ入札は、指名競争入札で入札予定価格が事前公表される。しかし、最低制限価格は一切公表されない。
例えば、11月16日に実施された万ホールポンプ設置工事の入札では、指名7社中5社が失格となっている。
本社取材班が入手した公文書によると、この工事の入札予定価格は(税抜き価格、以後数字は全て税抜き価格)15,210,000円、そして問題の最低制限価格は11,131,000円と設定されている。落札価格は12,200,000円、落札率は80.2%である。
実は、福津市の最低制限価格は工事ごとに異なる。70%を最低とする自治体もある中、福津市は直接工事費を工事ごとに算出、この直接工事費を最低制限価格にしている。
入札価格に対する直接工事費のパーセンテージは工事ごとに微妙に変化することになる。
上記工事では74,35%である。
入札結果を見ると、
A社14,400,000円(92,7%)
B社11,100,000円(72,9%)・・・・失格
C社10,647,000円(70%)・・・・・失格
D社10,800,000円(71%)・・・・・失格
E社12,200,000円(80,2%)・・・・落札
F社10,647,000円(70%)・・・・・失格
G社10,140,000円(66%)・・・・・失格 となっている。
つまり、74.35%以下の応札では全て失格してしまうということだ。
この入札の落札率は前記の通り、80.2%であるが、失格しなかったもう1社の応札率は92.7%である。66%から92%まで応札額に随分と開きがある。
特に、70%を切る66%の数字で応札した企業については、敬意を表するしかない。受注を狙って涙ぐましい企業努力の結果、この数字をはじき出したのだろうが、驚きの金額である。
さて、11月29日の入札からは、さらに興味深い状況となる。
指名7社のうち2社が辞退、5社が応札した。入札予定価格は12,100,000円である。
入札結果は、以下の通りだ。
H社 9,680,000円(80%)
I社 9,000,000円(74.3%)
J社 9,075,000円(75%)
E社 12,000,000円(99%)
K社 辞退
L社 8,954,000円(74%)
M社 辞退
前回80.2%で落札したE社が、99%の数字で応札している。
同じ企業でこうも応札金額に違いが出るものなのだろうか。
ちなみにこの工事の直接工事費(最低制限価格)は、8,700,000円となっており、伊札予定価格の71.9の落札率74%は、非常に面白い数字である。わずか2.1%の誤差で最低制限価格を読みきったということになるが・・・。
つづく
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