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CMCスタディーツアー同行取材記―21世紀最大の負の遺産・「悪魔の兵器」地雷(14) | 希望に満ちた子供の瞳の輝きを守るために(2)
特別取材
2008年3月31日 11:49

 アンコールワットの敷地内にあるモンドルバイ村は、別名チュンピカ(障害者)村と呼ばれ、世界的観光地で障害者に物乞いなどをさせないために、州政府が各地から地雷被害者を集めて作った村である。今では地雷被害者だけでなく、詐欺によってお金を使い果たして、大都会シェムリアップから追い出された人など、社会的弱者とも言うべき人々が集う村である。

この村は、現在の場所から40km先の山奥に押し込められそうになったところを、「もう一度生きてみたい」という村人の悲痛な声を聞き入れた、NGOの国際人権ネットワーク代表・緒方由美子氏によって救われたという歴史を持つ。その緒方氏が校長を勤めるモンドルバイ希望小学校には、現在約190名の生徒が通っている。

ここは、2007年2月17日に台湾・高雄市のライオンズクラブ、2008年2月22日には杉浦啓史・淑子夫妻の寄付によって、土壁の校舎ができた。それまでの13年間は、州政府の命令でいつでも撤去できるような茅葺の校舎であった。

 この小学校は3年生まで無料で授業が受けられるが、3年生までしかないため4年生以降は別の学校に通う必要がある。「13年かけてようやくここまでたどりつきました。本当は6年生まで教育してあげたいのですが、場所やお金の関係でできません。机も十分設置できないなどまだまだ力不足ですが、何とか学校を維持しなければなりません」と緒方代表は語る。

 また、「カンボジアは文化・歴史が破壊された国です。国を立て直すには、子供たちがしっかりと教育を受けて文化・歴史を継承することが必要です。こちらに来てすぐ、なぜこんなに子供がいっぱいいるのに勉強できる環境が無いのか?と思いました。東京から来て13年目、CMCの大谷さんと出会ったのは6年前。何度も学校運営を諦めそうになりましたが、CMCの支援もあって現在に至っています」とも語る。

 日本でも教育の重要性が叫ばれているが、環境が整っているだけでも有り難いことである。学校は村落コミュニティの象徴でもあり、何より未来を担うべき子供たちが学び成長する場である。農村部ではまだまだ教育機関が未整備だが、希望に満ちた子供たちの存在は、国家の希望そのものでもあるのだ。

つづく

【大根田康介】


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