今回、私はNGOであるカンボジア地雷撤去キャンペーン(略称:CMC、代表:大谷賢二、本部:福岡県福岡市)のスタディーツアーに、記者として同行取材することになった。
弊社も微力ながら活動支援をし、大谷氏からCMCの活動について特別寄稿していただいていたが、今回ようやくこのようなかたちで情報発信の機会を得た。
まず、CMCの活動について簡単に説明しておくと、主にカンボジアでの地雷撤去活動支援および地雷被害者救済活動などを行なっている。事務局は、福岡本部をはじめ、東京・大阪・愛知・東北・大分そしてカンボジア第二の都市バッタンバンなどにあり、活動拠点は幅広い(詳しくはCMCホームページを参照→http://cmc-net.jp/)。CMCは昨年5月に10周年を迎え、当ツアーは今回で12回目を迎える。
次に、当ツアーの目的は、「平和で経済大国となった日本では想像すらできないカンボジアの実情を、ひとりでも多くの人に知ってもらい、毎年寄せられる募金を本当に必要とされる場所に直接届けること」(弊誌IB1216号の大谷氏寄稿文より)である。
これは裏を返せば、今の日本ではカンボジアの実情がほとんど知られておらず、募金も本当に必要とされる場所に届いていない、ということになる。私も恥ずかしながら、CMCに関わるまで、カンボジアと言えば、「ポルポト派、アンコール・ワット、一ノ瀬泰造」といった程度のイメージしか湧かず、地雷被害状況やカンボジアの政治・経済などがどうなっているのか、実情をまったく知らなかった。
また募金についても、CMC代表の大谷氏は次のように語る。「募金は政府を通してしまうと、上の方で止まってしまい、末端の国民や地雷被害者の手元にはほとんど届かない。やはり現地に直接持っていくことが大切だ」。こうした大谷氏の想いと、その想いに共感した人々が、現在のCMCの活動を支えている。
地雷は過去の遺物ではない。今なお被害者を生み出し、人々の生活を脅かし、国の発展を阻害しているのである。当シリーズでは、私の目から見たカンボジアの実情、CMCの活動状況、そして参加者の想いをできる限り伝えたい。そして、「カンボジアの現状はこうなっているのか」、「CMCの応援をしてみよう」と考える読者が少しでも増えてくれれば幸いである。
つづく
【大根田康介】
※なお、3月8日(土)のTNC放送「土曜NEWSファイル CUBE」において、今回のツアーの様子が15分枠でテレビ放映されることになった。大谷氏も出演されるので、ぜひご覧いただきたい。