出張の航空券をカードで購入! カード決裁の目的は何か(3)
残る疑問とは、「直接航空券を購入したのは一体誰か」というものである。
カードが吉田市長個人のものである以上、直接購入したのは吉田市長ということにあるのだが、公務で忙しいとされる市長が、ご自分で購入する暇などあるのだろうか。
このことについて秘書課にたずねると、このような回答だった。
「航空券は、業者に電話での予約時に、カードの番号と有効期限を伝えれば、その電話の際に購入手続きを済ませることができる。その後、業者の方に航空券と領収書をこちら(市役所)にもってきてもらい、こちらで受け取るという形になっている」。
このようなサービスがあることに驚いたが、業者に電話して市長個人のカードの番号を伝え、わざわざ来庁させて航空券を購入するということは、はじめから「カード決済」にこだわったということになる。
元幹部職員の話によれば、「通常、市幹部の出張に際しては、秘書が概算払いによる出張費用を受け取り、航空券はその秘書が現金により購入、宿泊費や日当などの残額を渡していたしていたが、変わったのかね?」という。
なぜ、市長自ら、ご自分のカードを使って購入なのか。取材班には、マイルやポイントを加算することが目的であるとしか思えない。これまでに加算されたマイルやポイントは、何に使われるのだろうか。
前述したが、マイレージやポイントによる利得を得た時点で、福岡市から「贈与」を受けたことになるのだが・・・。
ある有識者は次のようにコメントする。
「公私混同している。例えば、熊本県では、あらかじめ決まった出張などに対しては、『早割り』などであらかじめ航空券を購入しておいて、これにより年間400万円~500万円浮いたそうだ。市民のみなさんから預かったお金なのだから、いかに有効的に使うかということに専念すべきであり、公私混同せず、けじめをつけるべきだ」。
まさに公私混同。今回の件には、この言葉がぴったりであろう。吉田市長は、公人としての自覚が欠けている。「公」と「私」のけじめがつかないようであれば、今後もこのような問題は噴出し続けるだろう。
来週からはいよいよ吉田市政の今後を決定づける、重要な定例市議会が本格的にスタートする。これ以上市民を失望させないでいただきたいものである。