こうした綱渡りの資本政策に目途をつけた折口氏は3月11日付で取締役会長を辞任した。同日、折口氏の相談を受けた金融機関の幹部によると、折口氏は会長職を辞するだけでなく、日本から脱出することも考えているという。
「マスコミに袋叩きにあってこりごりしているようでした。お子さんがニューヨークの国連付属の小学校に入学することになったので、ご家族で米国に移住されるご予定です」(金融機関の幹部)。
もっとも、折口氏は完全にグッドウィル・グループから身を引くわけではなく、依然として大株主として君臨する一方で、連結売上高の28%を占める海外部門を統率する計画でいる。すでに海外移住を控え、軽井沢の広大な別荘を売りに出し、プライベートジェット機も売却。田園調布の豪邸も金融機関の担保に差し出されている。そして、月に1回程度日本に帰国し、グループの経営報告を受ける予定という。だからこそ後任の社長は、社外取締役の堀井慎一氏という遠隔操作しやすい人物を選んだのだろう。堀井氏の出身の大和証券はグッドウィル・グループの主幹事証券会社である。これでは折口氏の傀儡と見られても仕方あるまい。
つづく