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急がれる対アジア空港整備 北九州空港の国際拠点化を (2)
福岡県政ニュース
2008年4月10日 10:49

★ アジア経済に挑む視点が欠けた空港論議2 ★

~ 悠長な空港新設案 ~

 先月13日中国・上海浦東国際空港の第3滑走路が完成し供用が開始された。これによって上海市は、虹橋空港とあわせて4本の滑走路を持つ中国初の都市となった。
 韓国の仁川(インチョン)空港やシンガポールのチャンギ空港なども含めてアジア諸国の空港が躍動する経済と、それにともなって増加する航空需要に対応してスピードとタイミングを持って整備されていくなかでこの3日にわが国で、何とも悠長な空港に関わる決定が行なわれた。
 福岡空港の将来像について地元経済界の立場で検討している新福岡空港促進協議会(会長 鎌田迪貞・九州電力相談役)が「福岡県新宮町周辺の沖合に海上空港を新設するのが最も望ましい」という見解をまとめたことだ。

卑小な論議

 海上空港建設案は現在、国・県そして福岡市が共同で進め、最終段階を向えている福岡空港の総合調査に関するパブリック・インボルメント(PI)Step3に三苫・新宮ゾーン案、志賀・奈多ゾーン案の2案が提示されている。
 何れの案も沖合に空港島を建設しクローズドパラレルという同時離発着不能の方式で2本の滑走路を建設。それによる離発着回数の増量は、現在の福岡空港の1.5倍に過ぎない。
 何よりも問題なのは建設から竣工までにかかる時間で、何れの案も工期のみで約13年と予測されている。
 これに建設の前段階で行われる調査や環境アセスメントなどの調整期間の5~6年が加わり、実質18年から20年の時が共用開始までには必要となる。

 ちなみ関西国際空港の例を上げると、1974年に泉州沖への建設を国が決定した後、開港にこぎつけたのはちょうど20年後の1994年であった。
 これら2案の建設費はいずれも1兆円を超える試算が出ているが、現在の福岡空港に比べて離発着回数が1.5倍程度に過ぎない新空港を20年の歳月と巨費を投じて建設することに、どれだけの社会的、経済的価値が見込まれるというのだろうか。
 一方、97年から06年の10年間における中国、韓国、台湾、日本を含むアジア極東地域における、航空旅客及び航空貨物の伸び率は毎年20%を示して来ている。
 この驚異的な数値を前に、今次県内の経済界が空港について議論すべきは、離発着回数が容量限界に近づく現在の福岡空港の状況に対応した、単なる代替空港建設案では済まない。 卑小な議論から抜け出し、激しく動くアジア経済に正面から向き合い、スピードとタイミングを得た空港整備を北部九州で実現することに知恵を絞ることをこそ求められている。


つづく


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