ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

連載コラム

積水ハウス100周年を目指して(6) 政治の機能不全 | 愛する積水シリーズ
連載コラム
2008年4月10日 13:07

ねじれ国会で政治は機能不全に落ち入っている。日銀総裁の空席、ガソリン暫定税率延長失効のドタバタ、市場は世界的金融危機の中、日本政治は麻痺してどうにもならないと見て日本売りとなり、欧米に比べても、値下がりが大きい。(昨年9月比米株、11%ダウン、日本株、25%ダウン)政策の方向性が決められない事により、内外の投資家、各国の財務、金融当局の信頼がなくしてしまっているのではないか。日銀の総裁、副総裁人事を政争の具にし、日本の政治家は世界経済、グローバルの構造変化に鈍感である。日本の株価は東証1部の時価、120兆円も目減りしてしまった。

世界経済の潮流の変化を感知できない政治家ばかりであるが、このような事態の直接の原因は参院の政権政党自民党の過半数割れである。G7で、上下院に同権限を付与しているのは日本とイタリアだけだが、両国とも政権が安定しておらず、一人当たり国内総生産(GDP)ではブービー争いをしている。上下院の権限の同一に大いに関係があることが明白である。右肩上がりの時代なら、政治が混迷していても「経済は一流」で威張っておれたが、金融のグローバル化、少子高齢化という大きな構造問題を抱えた今、政治の混沌は即、経済に影響するようになっているのである。

シェイスというフランス革命の国民会議指導者が「第二院が何の役に立つのか。 第一院と一致するなら不要、異なれば有害」と断じた。上院に関して、ドイツでは州政府の代表、フランスでは地方議員の間接選挙、イギリスでは世襲による任命、とそれぞれ制限を持たせて、政治の混乱を防いでいるのである。イギリス経済誌の特集記事でJAPANとPAIN(痛み)をもじり、 JAPAINとして、「日本経済の停滞は政治のせいである」とはっきり言っている。

このような現状下、サブプライムローン問題の発覚による株価の暴落から、都心部の地価上昇を支えていた不動産向けの外資流入が昨年後半から激減。首都圏、近畿圏を中心に、昨年秋以降株価の冷え込みでお客離れが始まり、マンションの契約率の目処となる70%を割り込み始めたのである。すでに地価は調整局面に入りつつあるが、日本政府は何も手が打てないでいる。

日本経済の下振れ、金融の混乱が波及した場合に、政治が空回りして政府が何も決められないなら、世界は「日本政治に破綻リスクあり」という認識をするのではないだろうか。積水ハウスも大型開発事業の成功で、本業の事業の不振をカバーしてきた功績は大きい。 しかし、過去の成功事例は通用しない時代に入っていることも事実で、不動産の潮目は変わってきた。来たる不測の事態に対処すべく、対応策を用意しておく必要があろう。


野口孫子    (敬称略)


※記事へのご意見はこちら

連載コラム一覧
連載コラム
2012年11月27日 07:00
連載コラム
2012年11月26日 15:53
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル