★ 北九州空港・対アジア拠点空港化整備3 ★
~ スピードとタイミング ~
圏域の経済・社会の将来像を大きく左右する、空港ほどの巨大インフラに関する整備計画については、100年先を見据えた俯瞰図を描きながらの話が必要だ。
ところが、現在の県内における空港整備についての論議は、現福岡空港の混雑緩和対策に目先が行ってしまい、卑小な論議に陥っている。
膨張するアジア経済のなか、競合は都市間で行なわれている。対岸の韓国・釜山市の人口は400万人。政府から広域市の指定を受け、わが国の都道府県を超える権限を有している。
また、中国・上海市の人口は約1千9百万人で、中国国内に4つある中央政府の管轄を直接受ける直轄市の1つである。アジアで熾烈な競争に挑んでいる都市は、両市の例に見るように、大きな人口規模と行政上の権限を併せ持ち、都市としての体力を充実させている。
これだけのボリュームを持った都市との競合で優位を保つためには、北部九州都市圏を1つのゾーンと考え、共同して対抗する戦略が必要だ。
空港整備についての議論は、都市間競争を勝ち抜くための視点を加え、かつスピードとタイミングを持って臨みたい。現在のアジア各国の勢いを見るとき、ここ5年が勝負だ。
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