先日、岩崎グループの岩崎産業(株)(鹿児島市、岩崎芳太郎社長)が、多額の有利子負債圧縮を目指して売却を予定していた屋久島・種子島・霧島の3つのホテルの事業継続を発表した。理由は、「サブプライムローン問題で売却先の外資系ファンドの資金調達が困難になり、価格面で折り合いがつかなくなったため」としている。
しかし一方で「今、霧島の高級ホテルは芸能人がお忍びで来るなど活況を呈している。ただ、これらのホテルは基本的に部屋数が少ない。大型の富裕層向けホテルを作り、とくにアジア顧客向けの業態にしたいのだろう」(地元ホテル業者)と言う意図もあるようだ。
また、種子島も船舶事業で市丸グループと熾烈な競合が続いており、「まだ売却か存続ははっきりしない」(地元ホテル業者)面もあるようだ。さらに、岩崎社長自身も観光事業の要職についていることもあり、そう簡単には観光事業から撤退できないという側面もあるらしい。
「いわさきホテルザビエル450」(鹿児島市東千石町)を昨年取り壊し、観光事業からの撤退を表明していた同社。地元鹿児島では「訴訟など色々な問題があり好ましく思われていない」(地元関係者)が、ターゲットをアジア富裕層に変えて再起を狙う。さらに箱根にも2010年秋に新ホテル建設の予定もある。
ただ、この設備投資がさらなる負債を抱え込むことになるため、同社の経営を圧迫しないか、今後の動向に注目したい。
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