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No.026┃木下緑化建設(株)代表取締役社長 木下文二 氏 | 福岡への提言200
特別取材
2008年4月18日 11:05

緑化事業に半世紀 福岡を緑あふれるまちへ


楽しかったビジネス人生

 福岡県久留米市田主丸町――。この地は、苗木・植木の一大生産地である。1700年ごろからハゼの苗木栽培が始まり拡大。その後、住宅市場の拡大や国の政策なども相まって、植木生産も盛んになった。また、この田主丸からは多くの緑化事業者が輩出されている。この背景には、行政による公共緑化事業の開始という要因もあるが、そのほかにも、「田主丸人」としての勤勉さ・堅実さも深く関与していよう。

 1957年3月創業の木下緑化建設(株)もまた、この地で生まれた緑化事業者である。半世紀にわたり、造園、緑化に携わってきた同社代表取締役社長・木下文二氏は、ビジネス人生をこう振り返る。「一言で表すなら、“楽しかった”ということになるでしょうね。さまざまな人と出会い、さまざまなことを学び、それを事業につなげていけたということに尽きます。業界の中では、いろいろなことをした方なのではないでしょうか」。同氏は、総合造園(株)という資材販売の会社も経営しているが、このあたりの積極性も、郷里・田主丸ゆずりなのであろう。

 近年、声高に叫ばれている「ヒートアイランド現象」。こういった言葉が出てくるほどに地球温暖化は進み、それに比例して「緑」の大切さも謳われるようになった。そういった大義名分がありながら、緑化事業の業界環境が依然として厳しいということについて、木下氏は「やはり、下請け体質が抜けきれていないのでしょう。そのあたりは、私たちの努力不足なのかもしれません」とコメント。ただ、都市緑化・屋上緑化の効果は次第に浸透してきており、公共緑化事業を含め、今後の需要はむしろ伸びていくだろうと予想される。そのときこそ、同社の腕の見せ所となろう。

緑のリサイクルにも努める

 また、新たな事業として、木くずのリサイクルにも取り組んでいる。さまざまな開発工事で発生する廃棄物だが、それらのリサイクルはまだまだ十分とは言えない。とくに植物廃材のリサイクルは、ほとんど進んでおらず、堆肥などへ再資源化されているのは全体の約20%に過ぎないという。そのほかのものは、焼却処理、もしくは埋め立てられているのが実情だ。

 同社では、久留米市田主丸町に緑のリサイクルセンターを有し、工事で発生した根株や幹枝などを回収、チップ化してリサイクルへとつなげている。また、現場へ直接出向き、その場で破砕可能な機械も所有しており、幅広い範囲でのリサイクルが可能だ。チップ化された植物廃棄物は、堆肥や防炎性のマルチング材(植物生育の促進のために地表面を覆う資材)へと生まれ変わる。緑化事業で温暖化防止に取り組むだけなく、緑のリサイクル事業も手掛け、本格的な環境共生型の社会を目指している。

 そのほか、さまざまなことに取り組んでいくという同社。たしかに公共事業減少の影響はあるものの、半世紀の経験と「田主丸人」としての気質で、この荒波を乗り越えていくであろう。福岡を(延いては全国を)緑豊かな都市に変えていくためにも、同社のような気概は必要だ。
 
 
 
[プロフィール]
木下 文二(きのした ぶんじ)
木下緑化建設(株)代表取締役社長
1937年3月、福岡県久留米市田主丸町生まれ。20歳のときに独立創業。

会社住所:福岡市南区長丘3-13-27
TEL:092-551-0877
URLhttp://www.kinoshitaryokuka.com/


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