3月議会での大きな論点であった「留守家庭子ども会無料化」を巡る議論が、委員会では一応の区切りを見た。市長提出の「無料化案」は否決され、自民・みらい福岡提出の「有料のまま対象学年を拡充案」を福岡ネットワークが修正した案が可決された。
だが、明日の本会議を終えても、息つく暇はない。次なる論戦がまだ控えている。「子ども病院単独移転問題」だ。
この問題の経緯をおさらいすると、もともと市は、市病院事業運営審議会の02年の答申を受け、人工島に二つの市立病院を統合移転させる方針を決定していた。しかし、一昨年の市長選で、吉田宏市長が見直しを訴えて当選。市の検証・検討チームは昨年12月、こども病院・感染症センターを単独で島
に移転し、産科を併設するという報告書を発表していた。ただ、慎重な対応を求める意見も根強く、市は1月、改めて同審議会に病院のあり方を諮問した。5月に審議会の答申を受け、最終決定する、というものだった。
ところが、3月11日には新聞各紙が以下のような主旨で報じている。
「有識者らでつくる市病院事業運営審議会の部会が、子ども病院の人工島への単独移転がおおむね妥当とする中間報告の素案をまとめた。感染症センターに関しては分離を提言。審議会は2002年、市民病院(博多区)との統合整備を市に答申していたが、一転してこども病院の単独移転を容認し、市の意向に沿う結論が5月に示される見通しとなった」
これに異を唱えたのが、高山博光議員だった。高山議員は、21日の条例予算特別委員会総会の質疑の中で、
「3月11日には新聞各紙が、医療機能部会は市の方針を容認したかのような報道をしているが、私が市病院事業運営審議会の医療機能部会の瓦林部会長に確認したところ、医療機能部会は移転場所の諮問までは付託を受けておらず、市の方針を容認したかのような報道は全く心外であり、『記者の勇み足』で、医療機能部会が『お墨付き』を与えたかのような印象を与える記事に対しては抗議文を出し、それを書いた記者からは陳謝の電話があったそうである。
かくも実態と食い違った報道が、ほぼ全紙でなされるのはなぜか。市広報の情報操作、世論誘導の疑いすらある」
と指摘した。
5月に出るはずの答申の素案がどうして今頃、報道に漏れるのか、そこには「何らかの意図」が介在すると考えた方が辻褄が合うというものだろう。
子ども病院の単独移転は本当に、市民にとって幸せなことなのだろうか。高山議員の指摘は続く。
つづく
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