岩崎グループの鹿児島商船(鹿児島市岩崎芳太郎)が、種子・屋久航路で競合する市丸グループのコスモライン(市丸良一社長)と折田グループの折田汽船(折田辰弘社長)に対し、高速船運賃が独占禁止法に違反した不当廉売だとして、運賃の差し止めと約14億6,000万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こしていた問題。
市丸側は4月16日、鹿児島市の本社で会見を開き、岩崎側が申し立てを取り下げたことを明らかにし、「和解案もあったが、岩崎側からは複数の裁判を起こされており、それらの結果が出るまでは話し合いには応じられない」と述べた。市丸側は、原価計算の根拠や実質値下げにつながる岩崎側のICカードの実態を明確にするよう求めるも、反論はなかったらしい。
岩崎は3月21日に、民事再生手続を進める折田汽船の支援企業候補を辞退したことを明らかにしており、その影響もあると考えられる。なお折田汽船は、市丸がスポンサー候補となっている。
岩崎の訴訟案件は他にもあり、観光事業継続と合わせて、今後の動向が注目される。
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