吉田福岡市長の東京主張(4月11日~14日)について、市長がどこの官庁を訪問したのか、福岡市は頑として情報開示に応じない。
公金を使って出張しながら、行き先を教えないということがまかり通っていいはずがない。
情報提供について「検討する」と言うが、役所の「検討する」は、「やらない・できない・やる気もない」と同義であると何かの本にも出ていた。
第一、この程度のことを「検討」しなければ公表できないなど、笑止千万。いかに現在の福岡市が隠蔽体質になっているか、如実に物語る出来事である。
吉田福岡市長の今回の東京出張には疑問が多い。出発日の11日は市役所に来ることなく飛行場に直行したようだが、福岡空港に夫人ともども姿を現したのは、午前11時を過ぎてからである。霞ヶ関には2時頃しか到着できない。「役所回り」の行動時間は、かなり短いものとなってしまう。
時間が足りないため、日曜日をまたぎ、月曜の午前中まで「役所回り」に充てたということになる。
本当に、金曜・月曜と時間をかける必要がある用務であったのかどうか、はなはだ疑問である。
中央省庁の官僚に会うという場合、当然ながらアポイントを取ってからという場合が多い。用務先の官僚が、常時席にいるという保証はない。ましてや現在は国会の会期中である。
突然訪ねても相手不在では意味がない。公金を使う以上、最低の経費で最大の成果を挙げるのは、財政再建を至上命題とする吉田市長にとって、貫かねばならない最後の砦であろう。それさえできないのなら、市民が市長を交代させた意味がない。
そんな市長が、約束もなく中央官庁を訪ねるとは思えない。念のため福岡市の東京事務所にアポイントを取ったかどうかの確認を入れてみた。
というのも、市長の東京出張の場合、通常、秘書課職員が同行するのは福岡空港までで、東京では、市東京事務所職員が市長の世話をする。
東京事務所は中央省庁との連絡調整の役目を担っているのであるから、アポイントも東京事務所で取ったのではないかと考えたのだが、「その件については情報公開請求をかけられていると聞いている。地元の秘書課のほうで対応することになっているはず。アポイントは地元の方で取っている」との回答。つまり市秘書課が訪問先中央官庁へのアポイントを取ったのだという。
なぜ秘書課は、金曜日を有効に使い、出張日程を短縮しなかったのだろう。
わざわざ日曜日を挟み、1泊で済むところを3泊にするのは無駄以外のなにものでもない。しかも、訪問先については答えられないなど、市民無視もはなはだしい。
さらに検証をしてみよう。
つづく
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