言行不一致 選挙の訴えいまいずこ
◆「決定プロセスも透明に」「何が起こっているのか分からないではいけない」
「私自身をさらけ出す」誰が言った言葉か!?
東京出張の訪問先官庁をかたくなに明かさない福岡市・・・。公費出張でありながら、訪問先の役所は言えないとがんばるには、それなりの理由があるのだろう。
しかし、その理由について市秘書課は、「政策決定過程については細かいところまで知らせる必要はない」という。とんでもない話になってしまった。
「役所回り」がどんな用務内容か知る由もないが、どこへ行ったかというのが「政策決定過程」になるとでもいうのだろうか?
しかも吉田市長は市長選挙当時、唐突にオリンピック誘致を打ち上げた折の山崎前市政に対する批判の意味もあったのか、政策決定の過程を開示することの重要性を繰り返し訴えていた。
例えば、吉田市長の選挙前のパンフでは、(吉田ひろしの思い)のページで、「市民の声に耳を澄ませ、福岡市の再構築を図らなければ。その決定プロセスも大切にしながら、市民が主役の市政へと変えなければ」と記している。
さらに、ローカルマニフェスト公開討論会では、「どこで何が起こっているか分からないではいけない」と語り、マスコミ・インターネット等による情報開示の重要性を訴えた。
民主党の配布したビラではインタビューに答える形で「立場も考え方も違うさまざまな人と良好な信頼関係を築くのに、最も大切なことは私自身をさらけ出すことだと考えています」と語っている。
選挙の時だけは、威勢が良かった吉田市長だが、就任から1年で、訪問した役所さえ市民に教えないという。変節と言うより、当時の言葉そのものが、選挙目当ての美辞麗句だったとしか言いようがない。
現に吉田市長の1年は、人工島見直しから「先頭に立って推進」へ、留守家庭子ども会無料化はニーズを見誤り、2度の市長案否決。挙げ句の果てには、「子ども病院」を人工島に単独移転させるという「人殺し施策」を持ち出す始末。
何のために市長になったのか、そして政治家の公約とは何か、吉田宏氏は真摯に考えるべきであろう。
新聞記者出身で、情報公開の重要性を知っているはず(?)でありながら、公約をかなぐり捨て、公務とされる「役所回り」の行く先さえ隠蔽する。暴力団関連企業から自分名義で事務所を借りながら「知らなかった。民主党に聞いてくれ」。
こんな市長に、あと何年お付き合いしなければならないのだろう。
※記事へのご意見はこちら