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積水ハウス100周年を目指して (14)大和ハウスについて | 愛する積水シリーズ
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2008年4月22日 11:32

大和ハウスは数年前、積水ハウスの売り上げを抜いた。昭和49年(1974年)に首位の座を奪われて以来、30年振りの首位奪還だった。業界首位の重みは、大和ハウスの樋口会長が新聞、テレビ、マスコミを含めた色々なところに、業界代表として顔を出す機会が多いということだろう。このことで大和ハウスという企業名の露出度が増え、世間にトップということが認知されていくのである。

大和ハウスが首位になった理由として、何か大きな改革をしたわけでもなく、新規事業を開発、成功させたわけでもない。積水ハウスの停滞、どちらかといえば、敵失によってトップになったのではないだろうか。裏返せば、積水ハウスが社内の体制を整えれば、いつでも奪い返すことが可能だろうと筆者は簡単に考えていた。ところが、大和ハウスの中では、大きな意識改革が進んでいたのである。

今もなお、大和ハウスの陣頭指揮をとってるのは樋口武雄会長兼CEOである。樋口会長の「熱湯経営」を読んで見ると、樋口氏が大和ハウスの社長に着任したとき、大組織病に陥っている会社と断じて、それを払拭するには熱湯経営でいくしかないと決心、役員の任期を1年に変更、業績の上がった役員だけを翌年に重任する。全役員に危機感を持たせ、1年単位で勝負するように変えたのである。

次に事業部制の廃止。スピード経営の実践のため、社長、支店長、最前線を基軸とする。本社は支店の支援スタッフとし、支店長に全権限を委譲した。その代わり支店長には経営者として結果責任を負わせ、赤字店の支店長にはボーナスはゼロ、1年半で25%の支店長が交代した。人材育成のため、FA制の導入。5年同一地部署の在籍社員には、やりたい仕事、仕事の夢を持った社員に手を挙げさせ、極秘にテストや面談を重ね、優秀であれば当該部署には有無を言わさず行かせるようにしたり、支店長の公募制を実施し、優秀な人材の登用をして活性化を図っている。
やる気のある社員には上を目指す目標がはっきり見える様にしている。正に信賞必罰、実績主義で評価するシステムに改革したのである。このように、樋口会長が自ら先頭に立ち、大和ハウスの意識改革を図ったことに業界1位になった所以があるようだ。

積水ハウスに戻ると、相も変わらず中央集権により社長に決済をもらわねば何事も進まない。人材登用の基準も不明確、いまだ夜明け前、早く改革に気がつかないと益々差をつけられると危惧する。樋口会長が言っている言葉、「上役の言うことであってもイエスマンになってはいけない。会社にとって良くないと思ったら、どしどし提言せよ。気がついたものが、勇気を持って着手しないと会社は良くならん。」元田鍋社長と同様、真のリーダーであると思う。積水ハウスを愛する者として現状の積水ハウスを思うにつけ、忸怩たるものを感じる。


野口孫子     (敬称略)


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