省エネをにらんだ開発コンセプト
今回、同社が提案した開発コンセプトは「電化、安心、経済性に加え、安全と地球環境に配慮した住宅を提案する」であった。このなかで、九州電力の蔵野八郎副社長をはじめとした審査委員から高い評価を得たのが、「地球環境を考えた省エネ機器の採用」と「見える電力使用量とCO2換算値」であった。
省エネ機器というのは、エネルギー消費の3分の1を占める給湯に、今流行のエコキュートを用い、加えて電力消費量を抑えられる省エネ照明を活用するというもの。エコキュートは、空気でお湯を沸かす給湯システムであり、火や電気の熱で直接水を温めるのではなく、空気中の熱を取り込み、それを圧縮して熱を発生させてお湯を沸かすシステムである。このエコキュートを、給湯のみならず床暖房などにも活用することで、省エネに繋げようという試み。
また省エネ照明は、今注目のLEDを使い、初期投資は高くなるものの、半永久的に使用可能で電力消費量も抑えられるようにしている。これらを組み合わせた家づくりを行なうことで、地球に優しい省エネの住宅が可能となる。
福岡では、あまりLEDを使った照明は活用されていないが、今後は環境問題のさらなる高まりのなかで、爆発的に普及していく可能性も秘めており注目される。
「見える電力使用量とCO2換算値」は、エネルギー情報サービスと呼ばれる家庭用ホームサーバーを用いることで、前年との電力使用量と電気料金の変化を表示でき、省エネのアドバイスも得られるという画期的なシステム。現在はまだ開発段階であるが、家計を切り盛りする主婦にとって、一瞬で以前の電力料金との差額を知ることができるこのシステムは大いに喜ばれるだろう。
天神へ防犯カメラを寄贈
このように電気工事業界に携わるものとして、省エネへの関心は非常に高い堀内代表であるが、同氏の活動は本業のみならず、業界全体、ひいては社会全体にも向けられている。
堀内代表は、福岡県電気工事業工業組合青年部福岡支部支部長も務めている。3月30日に福岡市中央区天神の岩田屋本館とソラリアプラザビルに設置された防犯カメラのうち、1台を同組合青年部が寄贈した。これは、兼ねてから地元を中心に防犯上の観点から防犯カメラを設置したいという声があり、安心して買い物を楽しんでもらいたいという堀内氏らの想いを具現化して寄贈したもの。この防犯カメラは、2週間程度の映像を記録できるため、要望があれば、警察などの捜査機関への資料提供も可能になるという。
今回の防犯カメラには、取り付け工事費を含め約150万円の費用がかかったが、今後も同組合青年部としては社会に役立つ活動をしていくため、要望があれば年に1台程度の防犯カメラの設置に協力していく方針である。また堀内氏は、
「こうした社会貢献活動も理解していただいて、ぜひ多くの方にこの組合を知っていただきたいですし、業界関係者には組合への加入も呼びかけていきたいと思っています」
と、業界全体の発展にも注力していく計画である。
オール電化においては、エンドユーザーが分かりやすいようなプランを考え、自社の発展のみならず、業界全体の繁栄も願う堀内代表。今後は家庭向けのオール電化の普及推進にも邁進していく方針。
同社のような中小企業の力が、地球環境を改善し、安全・安心な未来の暮らしを実現してくれるのではなかろうか。
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