集中する車 青果市場だけでどの程度になるか
「吉田(市長)さん、分かっているの!?」
こども病院が人工島に移転した場合、交通アクセスに問題があることは多くの市民が認めるところである。MAXふくおか市政ニュースでも交通アクセスについての問題点については詳述してきた。
ところで、人工島に移転が決まっているとされるもうひとつの大型施設がある。青果市場である。
計画では、青果市場(博多区那珂)、西部市場(西区石丸)、東部市場(東区下原)の3市場を統合し、人工島福岡市工区の広大な土地に新築しようというものである。
人工島に巨大青果市場が新設された場合、どの程度交通量が増加するだろうか。
青果部市場再編・再整備事業の「検討報告書」によれば、現在3市場に入場する車両数は5,700台近くになるとされる。
もちろん、将来の車両数に増減はあるにしても、単純に推計すれば往復1万1千台以上の車両が人工島を出入りすることになる。
同報告書の38ページに「交通面の課題」という項目がある。そこには、青果市場分の増加車両を加えても1日交通容量の範囲内、としながらも「一部の交差点や都市高速道路では渋滞の発生が懸念されるものの・・・以下略」と記されている。
さらに「1日交通量では交通容量の範囲内との予想結果であるが、市場から発生する交通量は時間的に偏っているため、そのピーク時への対応を検討する必要がある」としている。
現在の3市場への入場車両数は午前5時から7時までに1,500台近くが集中し、7時から9時までに900台前後の流入、1日合計が約5,700台。退場車両は午前8時から9時までに500台近くが、9時から11時までに1,300台ほどが退場するとされる。つまり、午前中に集中してしまうということだ。
市場の性格上、当然のことであるが、午前中に往復1万台以上の車が人工島に集中することになる。
香椎かもめ大橋のポイント調査では、現状の交通量の約5割増しになることも報告書に明記されている。ただしこの調査地点は人工島内ではなく、香椎パークポート側のポイントに過ぎない。
現在、コンテナターミナルから市中に向かうコンテナトラックが、海の中道大橋と香椎アイランドブリッジを結ぶアイランドシティ1号線の交差点で、数十台余りも信号待ちの状態になることをご存知だろうか。これに加え青果市場への入・退場車両が1万台以上加わるのである。もちろん、一般車両の通行も相当数ある。
限られた時間帯とはいえ、青果市場関係の通過車両だけでも、人工島周辺の交通混雑は明らかである。しかも、交通事情の悪化要因は青果市場だけではない。大型商業施設ができるとするなら、交通混雑はさらに拍車をかける。
そのことが何を意味するのか、ツル川さんや吉田宏さんは分かっているのだろうか?
※「ツル」は雨冠に「隹」と「鳥」
(つづく)
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