─────区民へのアンケートをみると、東区の課題として、「交通渋滞」を挙げるのが39%とトップになっています。
吉村:
東区は東西に長いという地理的な特性を持っています。昔から言われていることですが、地元住民から一番要望があるのが「直通運転」の問題です。ただ、これは相手のあることで、なかなか難しい面はあるのですが・・・。
鉄軌道の整備でいえば、箱崎、千早、新宮が終わりまして結節機能は向上したと思います。一方で道路の方は3号線が中心となります。昨年は東区で9人の方が交通事故によって亡くなっていますが、そのうち8人は3号線沿いで亡くなっています。
大きな原因は博多バイパス(編集者注:東区下原~東区二又瀬を結ぶ。終点側から整備され、現在は千早付近まで供用)がまだ繋がっておらず、トラックも何もかも東区の中心部に進入してきます。バイパスが繋がれば、南の方に行く車両は下原から南バイパスに流れるという計画ですが、これがまだできていないために、香椎方面の交通量が多くなってしまい、結果、3号線での事故が多くなっていると考えられます。
もっとも、交通の問題は全体の問題であって、東区だけでなんとかできるという問題ではないのですが。
─────2015年には東区の高齢者人口が20%を越えるという予測になっています。福岡市でも最も多くの高齢者人口を抱えることになろうかと思いますが、これに対して何か施策はありますか。
吉村:
高齢化率は確かに年々上がっています。東区では典型的なのは志賀島になりますが、政策的な問題として、バスが廃止になるとか、子どもの数が減り、高齢者が残る、診療所はない、などの問題が生じています。
当然ですが、一つ一つの問題に対して関心をもって、個別に対策していくというのが一つ。もう一つは、区役所での業務についてですが、高齢者向けの総合的な窓口対応ができるシステム作りが必要です。
区役所のサービスとして、今までは窓口ごとに対応していました。例えば、老人福祉に関するものであれば福祉介護保険課、健康に関するもの地域保健福祉課に行っていただいておりますが、今後は、一カ所に行けば、各種の行政サービスが受けられるような窓口が必要になろうかと思います。
つづく
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