東京出張 訪問先・目的を秘匿 不可解な市役所の姿勢
吉田宏福岡市長は、先週金曜日(11日)から東京に出張した。
翌12日(土)は、政府主催の「桜を観る会」に夫人ともども招待されていたため、公務として出席したとされる。この日程だけは間違いないとしている。
問題は、11日金曜日と14日月曜日の日程である。
本社取材班は、出張前に福岡市役所秘書課に、何のための公費出張なのか聞いたが、「役所回り」と言うだけで、どこの役所を訪ねるのか答えようとしなかった。
本日、改めて11日と14日の日程について、何のために、どこの役所を訪れたのか確認したところ、「答えられない」という驚くべき返答である。
公務であることは間違いないのか、と聞くと、「間違いない」という。
しかし、どこの役所を何のために訪ねたかについては、「細かいところまで言う必要はないのではないか」とかたくなな姿勢。
公金を使い出張したのであるから、教えられないとは納得しかねる。おかしいではないかと食い下がったところ、「検討する」と言い出した。ただし「いつまでとは約束しかねる」と歯切れが悪い。福岡市のために出張しているのであるなら、何も隠す必要はないはずである。市長の日程として、事前に東京出張について公表もしている。
「役所回り」と称するからには、何箇所かの官庁あるいは特定の官庁の中で、複数の部局を訪問したということになるだろう。隠す必要など何もないはずである。
ただ、11日、吉田市長が福岡空港に姿を見せたのは、午前11時を回ってからである。
東京着はどんなに早くても13時前後、霞ヶ関を含む都心に至るのは14時頃ということになる。
この時間から考えると、どれほどの「役所回り」ができるのか疑問ではある。
しかし、秘書課が「間違いなく公務で役所に行った」という以上、どこかは訪問したのであろうが、何のために役所へ行ったのか「答えられない」というのは許されまい。
市長は、3泊4日の公費出張に出かけている。もちろん、日曜日はプライベートということになるのだろう。
金曜日の遅い時間から出かけておきながら、月曜日の午前中も「役所回り」というのは効率が悪過ぎないだろうか?
なぜ金曜日の早い便で上京して、1日を有効に使わなかったのだろうか。そうすれば、土曜日には帰福できたことになる。もちろん、公務のない日曜日、福岡市民とのふれあいの時間も持てただろうし、宿泊費(公金)も2日分浮くことになる。
訪問目的や訪問先が答えられないような公費出張が、市民のためになるかどうか、はなはだ疑問である。