インデックスの学研株流出問題が火を吹いた。警視庁組織犯罪対策4課は4月19日、指定暴力団山口組一心会系組長、森泰智嘉容疑者(49)ら4人を逮捕した。ジャスダック上場の携帯電話向け情報配信の持ち株会社インデックス・ホールディングス(HD)(東京・世田谷区、落合正美会長兼社長)から現金を脅し取ろうとした恐喝未遂の容疑である。
報道によると、森容疑者らは昨年9~10月、同社が保有していた東証上場の学習参考書出版大手の学習研究社(大阪市、遠藤洋一郎社長)株の流出を巡り、インデックスHDの会長や役員らに計5回、「4億円の報酬で株の回収を依頼したことを認めろ」「一心会の人間がインデックスHD会長と刺し違える」と恫喝していたという。学研株流出問題が事件化したのである。
市場で売られた学研株
インデックスHDが学研株を貸株に出していた問題について、学研側が公式に明らかにしたのは昨年11月の決算発表の席。インデックスが学研株を第三者に貸し出したとのうわさを聞きつけ、インデックス側に説明を求めたところ認めたという。
一方、インデックスは「貸株の時期や相手は開示する必要はない」と説明を拒否。またもや起きたベンチャー企業の不祥事に、株式市場は色めきたったのである。
昨年、インデックスは資金繰りのために、経営コンサルタント会社を通じて、学研株を担保に、J社から資金を調達した。ところが、J社は即、学研株を市場で叩き売ってしまった。慌てたインデックスは、学研株のサルベージ(回収)に動こうとしたが、そんな荒業は素人ができる仕事ではない。そこで、現役の暴力団組長にサルベージを頼んだという噂が飛び交ったのである。
報道によると、組対4課は、インデックスHDが森容疑者らに株のサルベージを依頼した事実はないとみている。インデックス側も「反社会的勢力との関係はない」と説明。だが、学研株については「貸し出したのは事実」と認めたという。
詐欺グループに嵌められた?
インデックスは2003年8月、学研が実施した第三者割当増資500万株を全額引き受けた。学研株を6億1,000万円で取得し、持ち株比率4.7%の第2位の株主になった。学研が持つ教育情報を加えることで、携帯電話やブロードバンド(高速大容量)通信を使った情報提供業を強化するというのが、出資した理由である。
ところが、業績悪化で資金繰りが苦しくなったインデックスは保有していた学研株500万株を担保に、実体不明の会社から資金を借りた。借りたカネは約9億円。学研株の時価は約17億円。即座に、学研株を市場で売却すれば、貸した約9億円を回収できるうえに、差額の約8億円がまるまる儲けになる。彼らにしてみれば、売らない手はない。
インデックスは、資金繰りに困っている足元を見透かされ、詐欺グループにまんまと嵌められたというのが、大方な見方である。どういった経緯で学研株が売却されたか。そこが今後の焦点になる。
学研株を巡っては、旧村上ファンドの関係者が設立したシンガポールの投資ファンド、エフィッシモキャピタルマネージメントが買い集めた。昨年9月、16.99%を保有し単独筆頭株主になっている。学研株には、さまざまな人種が群がったのである。
つづく