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暴力団組長に恐喝されたインデックスから流出した学研株をめぐるトラブル(下) | 東京レポート
特別取材
2008年4月24日 09:48

M&Aで急成長            

 インデックスは、ライブドアや楽天の影に隠れて目立たなかったものの、国内外での積極的なM&Aで急成長を遂げた。上場した年の01年8月期に38億円だった連結売上高は、07年同期の連結売上高は1,298億円。6年で34倍超にもなり「勝ち組」企業にみなされた。

 オーナーは持ち株会社インデックスHDの落合正美会長兼社長(48)。事業子会社であるインデックスの落合善美(旧姓・小川)社長(42)とのコンビで携帯電話向け情報サービス大手にした。

 落合氏と小川氏は日商岩井時代の上司と部下の間柄。小川氏は98年、落合氏が経営を引き受けたインデックス(現・インデックスHD)に入社。99年、携帯のiモード向け恋占いを配信する「恋愛の神様」が大ヒット。02年12月に社長就任、上場企業で最年少の女性社長として脚光を浴びた。2人は結婚して、小川氏は落合姓を名乗る。

 2001年3月、インデックスはジャスダックに上場。上場以来、3カ月に2社のペースでM&A(合併・買収)を続けてきた。ハイライトが05年の老舗映画会社、日活の買収。当初、有線放送のUSEN(宇野康秀社長)が買収に乗り出したが、日活労組がストを打って猛反対。落合氏は雇用と労働条件を守るとして日活労組を説得し、買収に漕ぎつけた。

 日活労組が買収に賛成したのは、何をしでかすかわからない六本木ヒルズ族よりは、ベンチャー企業を卒業し「普通の企業」になろうとしている大手企業出身者で固めたインデックスのほうが、安心感があったからだ。

 M&Aは落合氏が担当して700億円以上をつぎ込んだ。そのうちの7割が海外事業だ。だが、欧州や中国子会社は不振。本体の業績の足を引っ張った。07年8月期の連結売上高は1,298億円をあげたものの、最終損益は158億円の大赤字に転落。この業績悪化、資金繰り難が、学研株を担保にする資金調達に走ったのが、今回の騒動の背景にある。


担保設定株も売却        

 市場で売却されたのは学研株だけではなかった。今年1月、落合氏が夫婦で保有しているインデックスHD株56万株のうち約9万株が売却された。落合氏は、インデックス株を担保に新生銀行から融資を受けていた。だが、インデックスの株価は半値以下に下落。担保価値が下落し、落合氏は新生銀行から追加担保の差し入れを求められていた。

 だが、追加担保の差し入れができなかったため、新生銀が担保株を売却した。大量に売りが出たため、インデックス株がわずか4日間で45%下落し、証券市場の話題になった。

 学研株の問題、インデックス株の売却。六本木ヒルズ族に代わるネット企業の新たな主役と賞賛されたインデックスが話題になるのは、資金難によるゴタゴタばかりである。

 落合氏の配偶者となった小川氏はかつて、「携帯ビジネスは上がりのエスカレーターのような業界」と評した。上方修正を6回続け、青天井の成長を続けていたときだ。その輝きは過去の話。いまや、「下りエスカレーター」に乗ってしまった。栄枯盛衰のスピードが激しいのがベンチャーの世界だ。

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