ある不動産物件の民間入札では、売却予定価格の60%で落札された。これまで入札となると大小の不動産業者やファンドが寄ってたかって価格を上昇させており、予定価格から3割増での落札は当たり前、倍になる物件も数多くあった。
ところが昨年7月より、株価暴落の原因であるサブプライムローン問題による、海外ファンド引き上げや不動産事業からの撤退、銀行の不動産融資引き締めなどにより、不動産価格を直撃している。その結果東京では、既に投げ売りまで始まっているようだ。
サブプライムローン問題については、当ローンの貸し出しピークは一昨年であり、表面化する案件(元本返済猶予期間設定)は山積みされている。アメリカの景気も後退しており、政治も不安定なことから、日本から出て行った海外投資・投機資金が戻ってくる可能性は少ない。これまで未曾有に上がった不動産価格は、今後しばらくは冷やされ続けるだろう。