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原弘産による日本ハウズイングの敵対的買収 合人社計画研究所も参戦(上) | 東京レポート
特別取材
2008年4月10日 13:11

 大証2部上場のマンション分譲会社、原弘産(山口県下関市、原將昭社長)が仕掛けた東証2部上場のマンション管理会社、日本ハウズイング(東京都新宿区、小佐野台社長)の敵対的買収劇。7月上旬に実施するTOB(株式公開買い付け)に向けて両社は鍔迫り合いを演じているが、ここにきて新たな展開を見せた。

 3月28日、不動産管理業のランドマーク(広島市、福原祥二社長)が、日本ハウズの11.77%の株式を取得し、筆頭株主に躍り出た。ランドマークは、マンション管理大手、合人社計画研究所(広島市、福井滋社長)の関連会社である。

 合人社グループは未上場ながら、マンション管理業界第7位。しかも、合人社は原弘産が分譲するマンションの管理やPFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業で密接な関係にある。原弘産と合人社は、共同で日本ハウズ株を取得したのではないと否定しているが、額面通り受け取る向きはない。

 業界7位の合人社が、業界2位の日本ハウズ買収劇に参戦してきたことで、マンション管理業界の覇権争いの様相を呈してきた。これに危機感を募らせた日本ハウズは、原弘産にランドマーク・合人社との関係について、4月16日を期限として回答を求めた。両社が一体であれば、持ち株比率は20%を超えることになり、買収防衛策を発動できるからだ。

日本ハウズ創業家の内紛
            
 そもそも買収劇の発端は、日本ハウズの内紛である。同社は1958年に法政大学の学生だった井上博敬(故人)、小佐野文雄(72)の両氏が有限会社をつくり、ビルの清掃を始めたのが前身。当時は学生アルバイトの延長のようなものだった。66年株式会社を設立して現社名にした。共同代表制をとり、社長には井上氏が就いた。ところが創業者の1人、井上氏が98年に死去。小佐野氏が社長を引き継いだ。

 同社は小佐野社長時代の2000年に店頭公開、02年東証二部に上場を果した。マンション管理とワンルームマンション開発の2本柱。08年3月期の連結売上高は632億円の見込み。マンションの管理戸数は31万2,261戸(07年3月31日現在)で業界2位。首位は大京ステージ(33万1,607戸)、3位は東急コミュニティー(27万4,906戸)。ほとんどがマンション分譲会社の関連会社で、同社は独立系のトップである。

 内紛が生じたのは05年6月のトップ人事。創業者の1人、小佐野文雄氏が会長に退き、後任社長に息子の小佐野台(うてな 42)氏が就いた。小佐野家による同族支配である。これに反発した共同創業者の井上一族が離反していく。

 日本ハウズの06年9月時点の持ち株比率は、井上、小佐野両氏の共同持ち株会社カテリーナ・ファイナンスが15.10%、小佐野氏一族の小佐野投資が11.23%、井上氏一族の井上投資が10.55%。井上一族は井上投資を原弘産に売却する行動に出た。

 06年9月、原弘産は井上投資を株式交換方式で完全子会社化した。原弘産は懐をいためることなく、日本ハウズの大株主井上投資を手に入れた。井上一族は株式交換した原弘産株を市場で売却して現金を手にしたわけだ。


つづく

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