─────東区ではハードに関する事業のイメージが強いですが、意外にも歴史的な史跡も多いですね。
吉村:
今年は区の独自事業で「東区歴史再発見」という事業をやります。
博多区にも神社仏閣や歴史的な史跡は多いですが、なんといっても東区は神功皇后の時代に縁のある地ですからねえ。香椎宮、志賀海神社、は神功皇后がご祭神ですし、名島の帆柱石も有名です。その他にも箱崎宮や名島城址もあります。
昨年には、志賀島で地元の有志の方々と金印のシンポジウムを行ないましたが、会場の志賀小学校には500人もの方が参加して下さいまして、びっくりしました。これほど、皆さんが歴史に関心がおありになる。
東区は歴史の宝庫と言ってもいいくらいです。まだまだ私たちの知らない話が沢山あります。
例えば、長野県に安曇野という場所がありますが、志賀島一帯に住んでいた「安曇族」が日本海を渡って能登半島に着き、さらに内陸に入って、現在の「安曇野」付近に到着したという歴史があるからなのです。因みに、能登半島には「志賀」という集落もあります。そういうこともあって、東区は長野県の安曇野市と姉妹提携を結んでいます。
東区はそれだけ歴史性の豊かな土地であるということをご存じでない方も多いので、ボランティアを養成しながら、みなさんにお伝えしていきたいな、というのが「東区歴史再発見」の趣旨なのです。これまで知られていなかった新しいことを知る機会になるのではないかな、と思っています。
─────古代だけではなく、中世でも足利尊氏の「多々良浜合戦の本陣跡」であるとか、小早川隆景が筑前入部に際して築城した「名島城址」もありますね。
吉村:
それもありまして、名島地区の方々が歴史を活かしたまち作りをされてまして、案内板を作ったり、通りに名前をつけたりしています。その他にも、広島県三原市と交流をしている団体もあります。
─────「三原市」といいますと・・・。
吉村:
隆景は毛利元就の子ですが、養子に入った小早川家の所領があったところですね。
つづく
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