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積水ハウス100周年を目指して (22)新体制は経営改革を明確に打ち出せ!| 愛する積水シリーズ
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2008年5月 8日 13:25

積水ハウスの原点、実質上の創業者といわれる田鍋元社長が、昭和38年、積水化学から赤字の積水ハウスに社長として着任し、何をしたかを、もう一度見直す必要があるのではないだろうか。

田鍋は、着任早社員と運命協同体を身をもってわかってもらうため、積水化学からの出向社員と各自話し合い、全員を積水ハウスに移籍させた。もう親会社に戻れない、と全社員で「背水の陣体制」を引いたのである。そして、住宅業界では初めて営業のメーカーによる直販制度を実施した。今でこそ当たり前であるが、当時は代理店販売が主流であった。田鍋は「住宅」という高額商品を他人任せにするのではなく、メーカーが直販して責任施工するシステムをとったのである。こうすることでお客さんの信用、信頼を得、積水ハウスの隆盛の礎を創っていった。

新社長という者は、具体的に経営の改革の狼煙を上げ、実行して実績を上げるよう指導していくものである。安部新社長は、和田会長が現在の積水ハウスの隆盛を築いたかのごとく、その路線を引き継ぐというなら、現状認識が甘いというものだ。和田社長時代に開発事業を手がけ、大いに経営数字に寄与したことは評価しても良い。しかし開発事業の数字があったため、本業である工場生産住宅販売への経営施策が後手になってしまっているのではないだろうか。開発事業は大型土地の仕入れ、街並み企画立案、と数年の歳月を要する事業である。丁度、開発事業が貢献できない時期に差し掛かってる今、頼るは本業であるが、住宅着工減が激しい時代に、本業の強化といってもすぐに効果は表れないだろう。

安部社長はやっと、中級商品を売り出すと記者会見で発表していたが、遅きに失する感がする。和田会長は「実態経済はいい、世の中には不景気の風潮があるが、そんなことはいい訳にはならない」と檄を飛ばしておられが、市場ニーズのパイが小さくなった現状で、シャッター商店街の続く地方都市相手に富裕層向けの高級住宅商品のラインアップを提案して来た責任はどこにあるのだろうか。少し極端に言えば、このような事態にしたのは和田会長である。

大和ハウスに追い越された現状を良しとしないであれば、和田会長の経営戦略の踏襲でなく、新しい具体的な政策を出して欲しいものである。

野口孫子   (敬称略)


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