─────「福岡」という地名からだとどうしても「黒田」と連想してしまいがちですが、もっと古い時代から歴史を紡いでいるわけですね。
吉村:
考えてみれば福岡の歴史は凄いですね。神功皇后の新羅への遠征があって、平清盛は博多に「袖の湊」と呼ばれる日本初の人工の港を築き、太閤町割りがあって黒田がある。外国のどんな都市にも負けない歴史をもっているのではないでしょうか。
─────十分に人を呼べそうですね。
吉村:
ヒントとなるのは、志賀島のシンポジウムに500人が集まったという事実だと思います。歴史の語り部となるボランティアを養成していき、NPO等と協力しながら、「歴史がある街・東区」をアピールしていきたいですね。
東区にまつわる歴史の話をすると、地元の方だけでなく、外の方も、知った名前の人物が出てきますので、非常に興味をもって聞いていただけます。
─────ソフトウェアでも人を惹きつける、ということですね。
さて、話がまた現代にもどってしまうのですが、東区の大きな変化として、九大箱崎キャンパスの移転があると思います。大きな跡地ができるわけですが、この跡地の活用について、区役所ではどのようにお考えですか。
吉村:
今のところ、本庁の方に検討組織ができ、検討に取りかかった段階で、区役所として具体的な関わりはまだありません。ただ、東箱崎では九大跡地の活用について校区でまとめられ、ご提言いただきました。周辺では、まちづくり協議会もできています。
なんといっても、区役所のリソースは「地域の方々との直接のコミュニケーション」にありますから、区役所の役割としては、みなさんからの要望や提言を集約し、本庁にきちんと伝え、計画作りに反映してもらうことです。
─────現時点では、どのような要望がありますか。
吉村:
公園化、緑地化して欲しいというご意見が多いですね。あと、歴史的な建物は残して欲しい、というご意見もあります。
一方、大学が移転するのだから、何か地域を活性化につながるものも必要だろうと考えております。
本格的にはこれからですが、いずれにせよ、みなさんからの意見、要望を集約しながらやっていくことが大事だと思っています。
つづく
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