【ＭＡＸふくおか市政ニュース】　2008/5/13
圧倒的な情報力で福岡市政を斬る！【ＭＡＸふくおか市政ニュース】

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01●市長公用車　タクシー代わりに使用
「乗せたのは女性経営者・２名　」　苦しい市側の対応

02●病院事業運営委員会　専門部会より報告
市民病院は独立行政法人化へ

03●シリーズ地方財政
「大責任転嫁時代」をどう生き抜くか（夕張編）

04●記者・日下部の「教育の現場から」
子ども達の「生命力」を育てる高取保育園（その５）

●市長公用車　タクシー代わりに使用
「乗せたのは女性経営者・２名　」　苦しい市側の対応

　ここで、今回の事件発覚までの経緯を振り返ってみる。
　当初、取材班が今回の事件について確認を求めたところ、市秘書課は、すぐに回答を出そうとはしなかった。当初、取材班が市秘書課に確認と情報開示を求めたのは、

１、１２月４日（火）の市長公用車「自動車運行表」記載の、午後１６時２０分以降の「公務」内容。
２、同日午後８時３０分から９時の間に、吉田市長が市長公用車に同乗させた女性２名はどのような方々か。市長とはどのような関係か。

以上の２点である。

　市秘書課は、公用車が使われている以上、「公務」のための運行だったという点だけは認めたが、その公務内容を教えようとしなかった。

　数日経って回答を促すと、「調査中、情報開示についても検討中」と訳のわからないことを言い出した。公務でありながら、なぜ「調査」の必要があるのだろう・・・。
「調査しなければ分からないような『公務』があるのか？こちらから資料提供しましょうか？」

　その取材班からの問いかけには答えがなかったのであるが、このやりとりの翌日、珍しく秘書課の方から回答があったのである。

　市側の回答は
１２月４日（火）の公務内容として
ホテル日航福岡でフランス農事功労賞を受賞された方の受賞祝賀会
その後、平尾の和食店で「女性経営者を含む経済人との懇談会」が入っていたという。
　（受賞者名・料理店名も回答があったが、本稿では省いております）
ホテル日航福岡において、女性２名を同乗させたのは事実。ただし「女性経営者」だった。

「女性経営者を含む経済人との懇談会」はかねてからお誘いがあっていたもの。祝賀会場で一緒だった「懇談会」出席予定のＮさん（回答は実名）から同じく「懇談会」出席予定の女性を乗せて行って下さい、と頼まれた
との内容であった。

　つまり、市長公用車をタクシー代わりに使ったことは間違いないということである。
　この場合、頼まれたかどうかは何の関係もないし、女性経営者だろうが男性経営者だろうが、公用車を私的に利用し、タクシー代わりに使用したことは動かし難い事実なのである。

　公人としてあるまじき行為であることは明らかであるが、別の問題も浮上してくる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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●病院事業運営委員会　専門部会より報告
市民病院は独立行政法人化へ

　本日15時より、福岡市病院事業運営審議会が開催された。同会は福岡市から諮問を受け、「医療機能部会」と「経営形態部会」という二つの専門部会を設け、諮問の内容に関して論点の整理を行なってきた。今回は、専門部会から審議会に対して、議論の報告が行なわれた。

　報告によれば、市の検証・検討結果の内容はおおむね妥当。審議会では、その報告に対し、こども病院が移転した場合の医療ネットワークの整備、また、こども病院・市民病院の独立行政法人化についてなど、委員から意見が出された。

　独立行政法人化に対し、同会に出席したこども病院、市民病院の両病院長は、「現在の経営形態のままでは、経営に限界がある」との考えから、賛成を表明した。

　それにしても残念なのは、福岡市の医療の方向性を決定する場である病院事業運営審議会において、こども病院の移転場所が議論されないことである。諮問に移転場所に関する内容が入っていないことが理由なのだが、市民の関心はこども病院の移転場所であるのに、それが議論の対象となっていないことは、残念でならない。

　委員からは、「これで本当に市民の理解が得られるのか疑問」との意見も出されていた。

　同会は今後、諮問に対する答申を提出するため、30日にエルガーラホールにて開催される予定。その際、市側が答申の叩き台を作成し、同会にてその内容が審議される。

（柏木斉流）

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●シリーズ地方財政
「大責任転嫁時代」をどう生き抜くか（夕張編）

その１０　夕張市財政担当職員Ａ氏インタビュー（１）

―――――夕張の財政担当をされているということですが、出身も夕張ですか。

Ａ氏：
　夕張の出身ではありませんが、１５年前に職員になり、やってきましたが、他の街とは違う雰囲気がありました。炭鉱閉鎖の跡が生々しく残っていて、基盤整備もきっちりされておらず、炭鉱の長屋もまだ残っていましたし、道路も他の街に比べれば未整備の状態でした。正直「ひどいな」と感じていました。
　先輩からは、「炭鉱会社（北炭）が残していったモノを市が買い取らなければならなかった」と聞かされていました。企業誘致をするにしてもイメージが悪いので、基盤整備をきっちりしておこうという意図で、様々な事業をやったわけです。基盤整備についてはある程度はできたと思います。

―――――炭鉱関連の買い取りはトータルでどれくらいの借金を抱えたのですか。

Ａ氏：
　全部合わせると約６００億円です。炭鉱会社が潰れたときに、給料は未払い状態で、退職金も払えない状態で「労務債」がかなり残っていました。炭鉱労働者は夕張市民でもありますから、どうしても市が肩代わりせざるを得なかったのです。住宅、電器施設、水道施設、浴場、病院なども全部買い取らざるをえなかったのです。これらの「債務」は未だに残っています。

―――――債務残高は３５０億円だというわけですが、実質公債費比率（年度ごとの税収や地方交付税など、地方自治体の収入に対する借金返済額の割合、公営企業（特別会計を含む）の公債費への一般会計繰出金、ＰＦＩや一部事務組合の公債費への負担金、債務負担行為に基づく支出のうち公債費に準ずるもの等の公債費類似経費も算入して計算）は何％ですか。

Ａ氏：
　２８％くらいです。１８年度に再建団体として手を挙げて、三セクの損失補償などの肩代わりなどもありましたので、少し上がりました。

―――――三セクとはどれを指しますか？

Ａ氏：
「石炭の歴史村」、「夕張開発」、「木炭製造株式会社」です。（つづく）

編集・構成：日下部晃志

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●記者・日下部の「教育の現場から」
子ども達の「生命力」を育てる高取保育園（その５）

　聞いてみると「よくかめよ～、食べ物を～、かめよかめよかめよ身体が強くなる～」（外国民謡「row row row your boat」の節で）と歌っているではないか。

　聞けば、子ども達は、毎日の給食のときも、この歌を歌い、そして、まずは一口のごはんを口に入れ、１００回咀嚼するのだという。そうすることで、「かむ」ことへの習慣付けができ、さすがに１００回とは言わないまでも、３０回以上は咀嚼するようになるそうである。

　高取保育園では、「身体によい食べ物」を「よくかんで」食べるという習慣を子ども達に付けさせていたのである。あの子ども達の保育園児離れした体力・気力の秘密はここにあるのではなかろうか。

　よくかむことで、食物はすりつぶされ、消化吸収がよくなるそうだ。効率よく吸収された栄養が強い骨格と体躯の元になる、というわけだ。因みに、顎をよく動かすことは、脳の発育にもいいらしい。

子どもを保育園に、５年、３年、１年７ヶ月間通わせたという３人の保護者にも話を聞いてみたところ、「子どもが好き嫌いをしなくなった」「足腰が強くなった」というのが共通した意見であったが、お弁当が終わり、もの凄い勢いで遊び始める子ども達をみるにつけ、「食」と「生命力」との深いつながりを実感せざるをえない。果たして、自分が５歳のときはこれほど生命力に溢れていたかどうか、あるいは、今年５歳になる自分の子はどうだろうか、と嘆息することしきりである。

「好きなもの」を「好きなだけ」食べればいいのだ、と考えていなかったか・・・「よくかむ」ことを教えずに、「早く食べなさい」と言ってはいなかったか・・・

　結局、終始元気なまま、子ども達は下山した。出発地点に戻ってきても、へとへとになっている子はいないし、「早く帰りたい」と駄々をこねる子もいない。さらに、これから駅近くに群生しているつくしを採ってから帰るのだという。いやはや、本当に大した体力・気力である。（つづく）

リポート：日下部晃志

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