ここで、今回の事件発覚までの経緯を振り返ってみる。
当初、取材班が今回の事件について確認を求めたところ、市秘書課は、すぐに回答を出そうとはしなかった。当初、取材班が市秘書課に確認と情報開示を求めたのは、
1、12月4日(火)の市長公用車「自動車運行表」記載の、午後4時20分以降の「公務」内容。
2、同日午後8時30分から9時の間に、吉田市長が市長公用車に同乗させた女性2名はどのような方々か。市長とはどのような関係か。
以上の2点である。
市秘書課は、公用車が使われている以上、「公務」のための運行だったという点だけは認めたが、その公務内容を教えようとしなかった。
数日経って回答を促すと、「調査中、情報開示についても検討中」と訳のわからないことを言い出した。公務でありながら、なぜ「調査」の必要があるのだろう・・・。
「調査しなければ分からないような『公務』があるのか?こちらから資料提供しましょうか?」
その取材班からの問いかけには答えがなかったのであるが、このやりとりの翌日、珍しく秘書課の方から回答があったのである。
市側の回答は
12月4日(火)の公務内容として
ホテル日航福岡でフランス農事功労賞を受賞された方の受賞祝賀会
その後、平尾の和食店で「女性経営者を含む経済人との懇談会」が入っていたという。
(受賞者名・料理店名も回答があったが、本稿では省いております)
ホテル日航福岡において、女性2名を同乗させたのは事実。ただし「女性経営者」だった。
「女性経営者を含む経済人との懇談会」はかねてからお誘いがあっていたもの。祝賀会場で一緒だった「懇談会」出席予定のNさん(回答は実名)から同じく「懇談会」出席予定の女性を乗せて行って下さい、と頼まれた
との内容であった。
つまり、市長公用車をタクシー代わりに使ったことは間違いないということである。
この場合、頼まれたかどうかは何の関係もないし、女性経営者だろうが男性経営者だろうが、公用車を私的に利用し、タクシー代わりに使用したことは動かし難い事実なのである。
公人としてあるまじき行為であることは明らかであるが、別の問題も浮上してくる。
※記事へのご意見はこちら