吉田市長の公人としての資格
吉田市長が女性二人を市長公用車に同乗させた問題は、ただ公用車を私的に使ったというだけにはとどまらない。
公用車に同乗した二人の女性は、本来、自家用車か電車、あるいはタクシーでの移動をするはずの方々である。
中央区平尾の和食店で行なわれた「女性経営者を含む経済人との懇談会」は、吉田市長を含め数人の規模のものだったとされる。もちろん吉田市長が居なければ始まることのない懇談会であるが、女性二人が遅参しても、開会が遅れることは明らかである。
必然的に車での移動が迫られたと見て良い。当日、車がなかった女性二人が使う交通手段は、タクシーしか考えられない。
「市長公用車をタクシー代わりに使用」と明記したのは、以上のように、タクシー移動が当然だったと思われる二人の女性を、安易に同乗させたからである。
ホテル日航福岡から中央区平尾の和食の店までは、タクシーで1600円から1800円程度はかかるようだ。そして、女性二人が当然支払うべきタクシー代は、公用車同乗により発生しなかったことになる。
便宜供与=寄附の指摘も
市長公用車に同乗したことで、二人の女性は移動にかかるはずの支出を抑えられた。換言すれば利益を得たということになる。
吉田市長が女性二人の同乗を決めたのなら、市長から二人の女性へのタクシー代分の「便宜供与」がなされたということに他ならない。もちろん、タクシー代を電車代やバス代に置き換えても同じことである。
金銭とは別に、市長公用車(セルシオ)に乗るという特別な機会が与えられたことも事実であろう。
吉田市長は「便宜供与」を行なった、つまり公選法で禁じられた「寄附」をしてしまったと見なされるおそれもあるのだ。
公務のため女性経営者を乗せたと強弁しても、何の免罪符にもならないことを吉田市長も市秘書課も知るべきである。誰を乗せたにしろ、公用車をタクシー代わりに使用したことはまぎれもない事実なのだ。
強弁を続けるための拠り所は、前述したとおり、平尾の和食店での飲食が「公務」だった、ということに尽きるが、さて、どこまで「公務」でがんばれるだろうか・・・。
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