NPOと民間企業の協働が新たな可能性を創り出す
事業型NPOが企業のCSRを支える
当法人(えふネット福岡)は、NPO(Non-Profit Organization)の定義として、1.NPOは「非営利活動団体」、2.NPO法人は「NPO法に定められた17項目の事業を目的に県・内閣府の法人となるための認証を受けた法人」、3.事業型NPO法人は、「NPO法人が、事業を遂行する上での専門性を高め、企業・地域・大学・行政との協働を機軸に経営管理の基、事業を行う法人」と定義します。ここでは、事業型NPO法人と一般民間企業との協働による新規事業創出の可能性についてご提案します。20世紀での高度経済成長時代が終わり、21世紀は経済面では低成長が続き、社会面では高齢化・少子化が顕著となり、地球温暖化の影響による環境悪化・自然災害の増加等社会問題が発生しています。企業活動は、従来の企業側の論理により商品を開発しマスメディアを通じてコマーシャルを行い販売する方式での行き詰まり感は否定できなくなっています。企業としても、社会貢献意識が経営管理に必要となり、企業の社会的責任CSR(Corporate Social Responsibility)の取組みが評価されるようになってきました。現在の企業のCSRは、地域のイベントへの協賛・地域の清掃活動への参加等が主となり、企業イメージを高めたいとの目的に留まっています。事業型NPO法人は、経営管理手法を取り入れ、温暖化防止・環境配慮・LOHAS・健康・食育・教育等の専門性を持ち、企業・地域・大学・行政の特徴を理解した上でのプロデュース(中間調整)を行います。
協働から生まれる新たな可能性
当法人(えふネット福岡)は、市民メディア・温暖化防止・環境配慮・LOHAS・食育の専門性を持ち、特に、映像コンテンツによる「市民メディア」では告知力の高い情報発信を行っています。株式会社データマックス「ネットIBチャンネル」、福岡商工会議所「福商インターネットTV」は、代表的なメディアとして映像コンテンツによる情報発信を行っています。また、福岡市環境局の委託事業による「温暖化防止福岡市民放送局」では、温暖化防止に取り組む市民・NPO、企業、行政の情報を映像コンテンツで情報発信し、福岡市民に向けての温暖化防止への取り組みの啓発を促しています。「ネットIBチャンネル」「福商インターネットTV」共に、当法人との協働による新規事業になっています。当法人が協働し映像コンテンツの企画を立案することで、企業のコマーシャルとしての売りたいメッセージが、消費者の目線での信頼できる情報として映像コンテンツ化されます。信頼できる映像コンテンツは、商品の紹介に留まらずに、経営者の人柄・表情・声を通じて情報に熱意が加わります。熱意を持った経営者が商品・サービスの必要性やこだわり等を直接、消費者に説得することにより消費者は納得して商品・サービスを購入するようになります。このような企業と消費者とのWinWinの関係が築かれることが企業経営を安定させるためにも必要と考えます。今後、当法人(えふネット福岡)が示す事業型NPOが設立されることを期待しますと共に、事業型NPOの存在や可能性に期待し、協働を考える企業が増加することを望みます。
[プロフィール]
蓼原 典明 (たではら のりあき)
1950年7月15日
大手通信メーカー(NEC)に入社、26年間勤務 (コンピュータ関連)
ITベンチャー起業 (中小企業向けの情報活用システムの開発)
その後、情報活用コンサルタント 営業活性化アドバイザー
コラボレーションコンサルタント コラボレーション(協働)による
事業活性化の可能性を研究、実践する。
地域活性化プロデューサー(地域・国、行政、企業と協働した地域活性化の具体化や、
コミュニティ・ビジネス(CB)の起業支援)なども手がける。
現在、 特定非営利活動法人 えふネット福岡 専務理事 兼 事務局長
福岡大学非常勤講師 (ベンチャー起業論、サービス産業論)
東海大学福岡短期大学非常勤講師 (社会起業家育成論)
特定非営利活動法人 えふネット福岡 http://fnet-fukuoka.net/
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