私的飲食 なぜ「公務」と言い張るのか
もう一度12月4日の市長公用車の運行表を見ていただくと、同車の稼働時間が、16時20分から21時40分までの5時間以上にわたっていることが分かる
ホテル日航福岡の祝賀会と平尾の懇談会だけにしては、出発時間がずいぶん早すぎる。
公用車は、吉田市長の「公務」遂行のために使われたはずであるが、この点を改めて秘書課に確認したところ、まず中央区大名で消防団との懇談会があり、その後ホテル日航福岡での祝賀会に回ったという。前回の秘書課からの回答時には、大名の公務については何も聞いていない。ずいぶんいい加減な回答だったということだ。
いずれにせよ、運行表の運行経路には「大名」とだけ記入されている。不可解である。
運行表記載内容に疑問
なぜ「博多駅前」や「平尾」の記載がなされなかったのか?
ホテル日航福岡に問い合わせたところ、当日のフランス農事功労賞受賞祝賀会は午後6時30分から9時まで、確かに行なわれたという。
市秘書課は、吉田市長が同祝賀会場を出て、平尾の和食店に到着したのち、件の「女性経営者を含む経済人との懇談会」がはじめられたとしている。
吉田市長は、ホテル日航福岡がある博多駅前、そして「懇談会」が開かれた中央区平尾には、確実に公用車を使用して移動したことになる。
不可解だとしたのは、市長公用車の運行表の運行経路についての記載が、「大名」だけにとどまることである。
ここで、問題の日の次の日、12月5日(水)の運行表をご覧いただきたい。
この日は、やはりホテル日航福岡で太陽光発電国際会議のバンケットが行なわれており、運行経路にも当該地を示す「博多駅前」、そして最後に市長を自宅(中央区浄水通)へ送り届けたため「浄水通」と記されている。
(公用車で市長が自宅に帰った場合、1年を通じて運行経路の最後は「浄水通」と記されている。)
なぜ4日の運行表には、5日と同じホテル日航福岡に行きながら「博多駅前」の記述がないのか、同じく「平尾」の記載がないのか?極めて不自然である。
この日の自動車運行表に「大名」だけしか記入されていないのは、意図的に経由地点を記入しなかったからではないか、という疑念を起こさせてしまう。
そしてその理由は、最終の公務である中央区平尾での飲食が私的飲食に近いものだったからか、あるいは当初日程に入っていなかったからではないのか。
そうした疑問に答えるためにも、市は求められた情報開示を積極的に行なっていくしかあるまい。
ただ、12月4日、平尾の和食店での飲食は、どう繕ってみても「私的飲食」の範疇を出ない、と申し上げておきたい。
それでも、市秘書課は問題の飲食を「公務」と言い張る。
公務であることを証明する領収書や案内状などがあるのだろうか。
情報公開を請求したところ、とんでもない話になってしまった。
つづく
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