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中国・四川大地震/こんなときこその「戦略的互恵関係」ではないのか?
福岡県政ニュース
2008年5月16日 10:02

 死者14300人、行方不明者27000人、被害が拡大する中国・四川大地震は発生から72時間を経過した。災害発生から72時間が経つと、「生存率」が急激に下がり始める。

 一刻も早い救助、そして復旧作業が要求される。

 日本政府は、5億円の援助を早々に決めたが、お金よりもむしろ、救出のための技術や人的支援に力を入れるべきだ。中国は日本の人的支援を受け入れを決定したが、それは小規模の人的支援であり、本当の意味での「人的支援」にはほど遠いものである。

 実は、「人的支援」のスタンバイは出来ている。海外で大規模な災害が起こった際には、日本政府は「国際緊急援助隊法」に基づき、当該国からの要請があれば、自衛隊を派遣することができる。このため、陸上自衛隊では、各方面隊が2ヶ月交代で「当番」に指定され、いつ何時、海外で災害が起こり、派遣の命令が下っても対応できるようになっている。スタンバイができている、とはそういうことなのだ。

 一年間で世界中の地震の一割が発生しているのが日本であり、さらには、阪神、中越、中越沖、福岡西方沖などの大震災をも近年経験し、倒壊家屋からの救出、食料の炊き出し、被災者へのケアなど、進んだ復興技術を要した国でもある。

 中国政府にとって、日本の武装集団を受け入れることは、歴史的な経緯からいくばくの抵抗もあろう。デリケートな問題であることもわからないではない。しかし、国際緊急援助隊としての自衛隊は、身に寸鉄を帯びずに派遣される。

 現段階では、政治的思惑より、「一刻も速やかな復興」を優先順位とするべきではないだろうか。

 日本でも、阪神大震災の折、救援を提案してくれた米海軍の申し出を「軍艦だから」という理由で神戸港への寄港を認めず、却下した県知事がいたものだったが、どうか中国政府もくだらない理屈をごねていないで、速やかに日本に「国際緊急援助隊」の要請をしてもらいたいし、一方で、日本のいわゆる「親中派」と言われる政治家が本当にいるのであれば、あらゆるパイプを駆使し、中国政府に要請するように働きかけるべきだ。

 それができない、中国政府の政治的思惑の方を尊重する、というのであればそれは「親中」ではなく「媚中」と批判されるべきである。

 日中の「戦略的互恵関係」とは一体誰のための互恵関係だというのだろうか。
 双方の国民のために他ならないではないか。

 同じことは、ミャンマー政府にも言える。災害の復興と自らの政権を測りにかけることなどあってはならないのだ。国民の救済よりも政治的思惑を優先させる政権の命脈はすでに尽きている。






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