エキスパートを集めた産業政策チームで北九州の経済を引っ張っていく
―――――北橋市政の経済産業政策についてはどのように評価していますか。
松井:
北九州の経済は非常に厳しい状況が続いていると思います。そのため行政としても戦略的な取組みが重要だと考えます。
北橋市長も大学教授や通産省OBなど有識者・エキスパートを集めた「産業政策チーム」を作り、積極的に産業政策について検討作業を進めています。
ブリヂストンの若松、TOYOTAの臨空団地への進出が決まりましたが、この他にも小倉南区の旧北九州空港跡の3分の2を自動車関連など10社程度誘致できる産業団地にすることが決められ、そこに既に1社の進出も予定されています。
東芝の誘致は残念ながらうまくいきませんでしたが、こういう経験も逆に活かして、更に産業政策チームの提言を受けて積極的な企業誘致は進むと思います。
―――――地場企業の振興と育成はどのように進んでいるのでしょうか。
松井:
地場産業の中でもウエイトの高い建設業界は、民間も公共の仕事も減った上に予算も厳しくなり非常に苦しい状況です。
行政として今進めていることは、発注の単位を小分けしてできるだけ多くの会社に仕事を振り分けることです。
例えば、学校の校舎を新築して1社に任せるよりも、市内全部の学校のトイレを改築する仕事を発注して、規模の小さな会社でも請けられるようにして多くの会社に仕事が回るようにしく、また競争入札も、国の方針でもありますが、最低価格を65%から75%に引き上げ、仕事をとった会社に一定の利潤が上がるよう基準を見直して、過当競争からそれぞれの企業が疲弊することを守っていく、ということを基本に据え実行していくことです。
―――――新基本構想の原案で自民市民クラブは、北九州の人口を100万人守ることを主張しているのに対して、「市民の風」は会派として100万人に拘らないとしたのは何故でしょうか。
松井:
少子高齢化の大きな流れの中で現状をよく見つめ、過大なインフラ整備を抑えることが必要だと考えたことがひとつの理由です。
北九州は、若松の大水深港がうまくいっていない問題はありますが、アジアの玄関口として新空港や小倉、門司の港湾などの物流拠点は十分に競争力があると思います。
特に新北九州空港は24時間運用でき、貨物に特化したり、海外定期便を誘致していけばアジア環黄海圏の主要空港になれる可能性があります。
こうした明るい展望も踏まえて新基本構想を練り、結果として100万人を超える人口が維持できれば、もちろん大歓迎です。
堅実な経済政策を実施するために、基本構想は手堅い方針がいいと考えます。
つづく
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