ミャンマーでサイクロンによる10万人以上の死者、行方不明者がでている。中国四川省では大地震により3万人以上の死者が発生している模様。ミャンマー政府は外国からの救助隊の入国を拒否。中国政府もチベットに近いため、外国への救助の要請には消極的のように見受けられる。独裁体制の国では、時の権力に都合の悪い事は、国民に知らせたくないのだ。
四川省には多くのチベット族が住んでいる。救援活動に不満なチベット族が、再び騒乱になることを警戒している。世界の屋根チベットでは、風に舞う色とりどりの小旗がはためいている。「祈りの旗」“タルチョ”である。“タルチョ”の中央に描かれているのは、速さを象徴する「風の馬」“ルンタ”で、四方には虎や獅子が描かれている。風に乗って、全ての生けるものに「平和と幸福」が広がるように、祈りが込められているのだ。この“ルンタ”の願いを打ち砕くようにチベットで騒乱が起きたばかりだ。
真実は定かでなく、経済大国になったにもかかわらず、報道規制をしている矢先のこの大地震であった。ミャンマーほどではないが、自分に都合の悪いことは封じ込めたいとする異質国家、まだまだ民主国家に程遠いように思える。
日本でも政治が停滞している。道路特定財源化の10年延長を、国民の70%が反対しているにもかかわらず、再可決してしまった。道路を遮二無二作らねばならない理由は、道路に莫大な利権があるからだろう。ある自民党の幹部は「半年もすれば国民は忘れてしまう」と豪語していた。また一方で、ある自民党の心ある幹部は「自民党はタイタニックと同じように、行く手に大きな氷山があることも知らず、まっすぐ氷山に向かって突っ込んでいくようなものだ」と言っていた。民意とかけ離れた政権は、独裁国家でない限り、いずれは消えてしまう運命だろう。中国共産党も自民党も、政権を握って60年を経ている。政官業の癒着、いろいろな所にひずみも出来、腐敗の温床にもなっている。もう自浄能力を失っていると見るべきだろう。
このようなことが、積水ハウスにも起きている。今、変わらねばならない時に、ロシアのプーチンと同様、和田体制は温存されていると見るべきだろう。和田会長、安部社長との二頭体制でスタートしたが、安部社長は和田会長の傀儡政権のように思える。人の好い、温和な風貌、人当たりのよさから、安部社長を前面に出してはいるが、実質、舵を握っているのは和田会長だと言うのが衆目の一致するところだ。
就任間もないが、安部社長の顔、旗色がいまだ見えない。積水ハウスの凋落の傾向の兆しが見えているにもかかわらず、役員の中から、異論を唱える人が誰もいない。和田に任命された役員(執行役員含む)は自分の地位保全に汲々として、本気で、積水ハウスの将来を考えている者はいないと見るべきだろう。積水ハウスの凋落はやがて実際の数字で表れてくるのは近いのではないだろうか。
野口孫子 (敬称略)
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