ヴェネチアンマカオをはじめ、超大型リゾートホテル開発が進むマカオ。現地では、かつての日本における“バブル”という表現では表現しきれないほど、建設ラッシュが進んでいる。
マカオでは、福岡市博多区よりも狭い28.6キロ平方メートルという面積に、将来的には6万室の一大リゾートホテル群+それに伴うカジノ群を築く計画が進んでいる。このまま、開発が続けば、土地が足りなくなるのは明白だ。
それを受けて、マカオ特別行政区政府では、タイパ島(南側の埋め立て地区)の西に位置する広東省・横琴島までマカオ特区を拡大したい意向だが、これを広東省が拒否しているという。ちなみに、北京の中央政府は特区拡大に賛成。中央と地方のズレが浮き彫りになってきている。
これには、地方分権が進み、地方政府の力が過度に強くなってきているという背景がある。広東省としては、賃金が急上昇しているマカオに労働力を奪われたくないという意図もあるが、大きいのは特区になった際の利害関係の調整。莫大な利益(賭博にかかる税金)を生むマカオ特区の果実の汁を、どこがどれだけすするのか。中央政府の意向だけでは、決しない現状がある。
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