◆０１　アジアにおける拠点空港としての北九州空港整備考　その３２回目
　　　　北九州市港湾空港局　局長　片山憲一氏に聞く　その２

◆０２　連載・博多とお菓子の歴史　１７　遣唐使・遣隋使の唐菓子（壱）
　　　　
◆０３　空港問題海外事例報告～フランス・パリ近郊の空港にみる役割分担～
　　　　その１　二つの表玄関

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１２０回連載企画
対アジア拠点空港としての北九州空港整備考　その３１回

●○　北九州空港　その将来像　○●
●○　北九州市港湾空港局　局長　片山憲一氏に聞く　２　○●

記者／　なかなか厳しく見ていますね。

片山／　北九州空港は、もともと関門海峡の浚渫土捨て場を利用したために約1,000億円
　　　で建設されたリーズナブルな空港だ、とよく言われますが、埋め立てや連絡橋まで
含めると約3000億円かかったのです。

　当然、その建設コストに見合った旅客数、利用者数が必要です。佐賀空港が凡そ300億
円で建設されました。北九州空港は、その１０倍かかっているわけで、それだけの投資に
対して、見合うくらい利用されているかということをいつも考えながら、空港を「育てる」
努力が必要と考えています。

記者／　旧空港から、新しい空港に変わっての成功を上げるとすれば、何を上げますか。

片山／　何より、雇用が増えたことです。空港関係で約１０００人の新たな雇用が生まれ
　　　ています。これは、従業員数1000人の大企業が進出してきたことと同様のインパ
クトがあるからです。

　福岡空港では約７０００人が仕事をしているし、羽田では約３万３千人です。北九州空
港は、開港当初から「小さく産んで大きく育てる空港」と、関係者の間では言われていま
す。空港関係の雇用数もこれに満足せず、１０年、２０年と「育てる」地道な努力が必要
と考えています。

☆同記事はデータ・マックス　「IB」春期特集号に掲載したものです。　
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく（文・構成／清田進）

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連載・博多とお菓子の歴史　１７　遣唐使・遣隋使の唐菓子（壱）

　遣唐使として唐に渡り密教を伝えた空海は、その往復を筑紫路で過ごした。特に復路、
帰国時は１年を筑紫路に在って太宰府観世音寺などにその足跡をのこしている。

　この時期、空海が太宰府の副官の母親のために執り行なった法要が、密教儀軌によるわ
が国初の法要といわれている。その他、博多区御供所町の東長蜜寺はこの時期、空海が創
建したなどという伝説が残っている。

　それら、伝説の一つに空海が煎餅の製法を唐から日本に伝えた、という話があり、これ
が日本における菓子の始まりともされている。

　空海が本当に煎餅を焼いたかどうかは伝説中の話で確証はないが、果物や木の実を菓子
としていたわが国に、著しく加工を加えた、いわゆる嗜好品としての現代にいう菓子の原
型の始まりは空海が生きたこの時代からだ。

　承平４年（９３４）頃に成立した辞典「和名類聚抄」に八種唐菓子とし、梅枝、桃枝、
かっこ、桂心、黏臍、ひちら、鎚子、団喜などの名が並び、これらは遣唐使や遣隋使が、
その製法を伝えたものとされている。

　空海の煎餅についての虚実は不明だが、菓子の始まりは、空海と同じように遣唐使、遣
隋使とした大陸へと渡海した人びとが、多くの文物とともにわが国へもたらした所からで
あった。

　そして、この時代の菓子をとくに唐菓子と呼んだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく（源進）

空港問題海外事例報告
～フランス・パリ近郊の空港にみる役割分担～

●○　その１　二つの表玄関　○●

　先日、とある縁があって、フランスに行く機会を得たので、フランスの空港についても
取材してきた。フランスの首都であるパリ近郊には国際空港が２つあり、およそ、パリ市
街を南北で挟むような位置にある。一つはシャルル・ド・ゴール国際空港、そしてもう一
つはオルリー国際空港である。

　パリは、二つの「表玄関」を持っているのである。

　ド・ゴール空港が出来る前、６０年代すでに、パリはル・ブルジェ空港、オルリー空港
の２つの国際空港を持っていたが、この２空港では拡大する航空交通をさばききれないと
の見込みから、６２年より、より大規模な空港建設計画が進められ、６４年よりド・ゴー
ル空港の建設が始まり、７４年に開港した。

　現在、ル・ブルジェ空港はチャーター便、プライベート便の発着やパリ航空ショーの会
場として、ド・ゴール空港は大部分の主要旅客・貨物路線の発着、オルリー空港はフラ
ンス・ヨーロッパ域内および旧フランス領土への旅客・貨物路線の発着が主になってお
り、パリでは、二つの空港の棲み分けができている。

　この「二つの表玄関」という発想は、福岡においては不可能なのだろうか。

　航空需要が近い将来に逼迫するとされる福岡空港をどのようにするかを巡るPI（パブリ
ック・インボルブメント）ステップ３では、近隣空港との「機能分担」という選択肢が外
されてしまったが、「『今あるもの（既存ストック）を活用する』という発想抜きでいい
のか」という声は未だ根強い。

　ただ、「機能分担」論に関して、ひとつのネックになっているのは空港間の「距離」の
問題である。例えば、福岡空港がせっかく近くにあるのに、わざわざ新北九州空港まで
行くケースが生じるのではないか、とか、距離の離れた空港間で乗り継ぎが必要になっ
た場合どうするのか、という問題である。

　そこで、せっかくフランスまでやってきたので、今回は一つの実験を行なってみた。

つづく

（レポート：日下部晃志）

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