直径71mの回転翼、高さ65mの巨大な風力発電機が11基。響灘埋立地北端の強風を受けながらゆったりと回転している。企業誘致を進める響灘地区にあって、一際、目を奪われる光景だ。
250m間隔で海岸線に並ぶ10基は、NSウインドパワーひびき社(新日鐵、日本風力開発、三井物産などが出資)が、埋立地の入口付近に立つ1基は、テトラエネジーひびき社がそれぞれ建設した。11基を合わせた発電出力は最大17,000kw。風頼みとは言え、次世代エネルギーの象徴でもある。
現在、響灘地区を中心に展開されている次世代エネルギー関連施設は、風力発電の他にも太陽光発電、廃棄物発電、石炭ガス化発電などがある。しかも、その規模と多様性は国内でもトップクラス。昨年10月、経済産業省の進める次世代エネルギーパーク事業に認定された。
「太陽光等の新エネルギー設備や体験施設等を整備し、国民が次世代エネルギーに接する機会を増やすことで、地球環境や次世代エネルギーへの関心を高める」とする経済産業省の要件を満たしたのは、北九州市の構想を含む全国6件の計画。
東海・つくば・鹿島の3地区を連携させたネットワーク型のエネルギーパーク計画を進める茨城県。太陽光、小型風力等の研究施設とソーラーカーコースを備えた公園施設を一体的に整備する御坊市(和歌山県)。市内一円のバイオマス関連施設が見学できる真庭市(岡山県)。太陽光、小型風・水力等の設備を備え、エネルギー供給機能施設を有する玄海町(佐賀県)。ハウステンボスに導入する太陽光発電施設を利用して学習の場を提供する長崎県の計画などだ。
北九州市では、次世代エネルギーを集積させたテーマパーク構想を推進。響灘地区をビジターズ・インダストリーとして活用するため、約7千万円の事業費を投入して整備事業を進めている。
平成21年度にはエコタウンセンターを中心に循環・送迎バスを運行。増加する国内外からの視察団の利便性を高め、環境都市・北九州をPRすると共に、響灘地区への企業誘致や地域産業の活性化につなげる構えだ。
問合せ先:都市環境管理課 TEL:093-582-2238
※記事へのご意見はこちら