市長公用車がタクシー代わりに使われた問題について、福岡市役所関係者の声を拾ってゆく。2人目、3人目の声は、現職の市職員のものである。
生の声を聞いていただきたい。
市職員(40代)
「市長もがんばってやっているんでしょうが・・・。公務とは何かと聞かれると、非常に難しいですよね。もちろん市や市民のための業務ですが・・・。ただ、女性の方を乗せたということは、まずいでしょうね。誤解を招きかねない行為は慎むべきでしょうね。なんだかんだ言っても、行く先が飲食店、時間は遅い、こうなると、どこで謝るかじゃないですかね」。
話しづらそうなのは、毎日、市長の顔を見る職員の立場として当然かもしれない。
公務の定義について聞くが、はっきりとした答えは出てこない、しかし、女性二人を公用車に乗せたことについては、上記の他に「アウト」という表現で意思を表してくれた。
市職員(50代)
「コンプライアンスはどうなったとやろ。示しがつくめえもん。(公用車に)乗せた女性がどげな人やったかやね。
山崎さん(広太郎・前市長)は、公私の区別はつけとったよね。(吉田)市長は酒が強いらしいもんね。ちょっと気が緩んどったかな。タクシー代わりて言われりゃ、そりゃ、そうなろうね」。
あっけらかんと話をしてくれた。吉田市長がこうした性格だったなら、ずいぶん得をしたかもしれない。しかし、公用車をタクシー代わりに使用したことだけは、やはり早く市民に謝るべきだとする。
次は近年、市役所を退職したばかりのOBの声である。
市OB(60代)
「小規模な飲食まで『公務』と言い張ってるのはまずいね。公務と言わなければよかった。
そこはきちんと区別しないと・・・。市長が動けばなんでも公務というわけではないから。
相手先から案内があったところで、これは公務というよりプライベートで、とかね・・・。
やっぱり女の人を乗せちゃってるから『公務』で通さないとまずいと考えたかね。
公務なら市長交際費から堂々と支出してるはずだもんね。支出、ないんでしょ?
そりゃ、市民から見ると市役所が屁理屈こねてるとしか見えないよね。軽率でした、ごめんなさい、やってたら終わってたのに・・・」。
身内のはずの市職員でさえ、公用車のタクシー代わりはまずいと感じている。OBになると、さらに手厳しい。市長室長や秘書課が庇えば庇うほど、市民と市長の距離は離れていくだろう。
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