北九州の経済を元気にするには、行政が「中小企業振興基本条例」を制定して、具体的に実行することが一番効果的です
―――――北九州の経済を活性化するためには、どうすればいいか、議員の意見をお聞かせ下さい。
石田:
以前から私たち共産党は「中小企業振興基本条例」を提案いたしてまいりましたが、残念ながら議会で否決され条例の制定には到っておりません。
北九州には大企業もありますが、企業数では99.8%が、従業員数では約80%が中小企業です。
この条例は東京の墨田区や東大阪市などで実際に制定された例を参考に、行政が積極的に中小企業の力を引き出し、支援する内容として考えたものです。
大きく3つの柱があります。
1つ目は、市内全事業所の調査を行なうことです。
北九州はモノ作りの街として金属加工など世界でも最高の水準の技術をもっています。
しかし下請けである中小企業は独自に買手を見つける力はなく、資金的にも人員的にも販路開拓が難しいことが問題です。
そこで市内の中小企業がどういう技術をもっていて、どういう競争力があるのか把握してデータ化し、役所が販路拡大に回るようにするということです。
2つ目は、人材育成です。
大企業は自分で人材を育成する能力がありますが、中小企業にはその余力がありません。
そこで行政が中小企業全体の人材育成のために援助を行なうことです。
3つ目は、具体的振興策の実行です。
今の行政が行っている振興策は融資ぐらいです。
「行政が個人の経営にタッチすることはまずい」という考え方を持つ人もいるようですが、具体的に行政ができること、例えば、地元企業の新製品を導入事例作りのため行政がまず最初に購入することなど、検討可能な方法はあるはずです。
この条例は否決されましたが、市の担当部署も内容を評価して、アンケート調査など実施して考え方は活かされてきていると思います。
ただ残念ながら北橋市長自身は、選挙中、地元中小企業の振興を訴えていたのに、具体的な振興施策はまだ打ち出されていないと思います。
パブリックコメントなどで市民の声を聞く姿勢がでてきたことは一歩前進ですが、新基本構想などを含めて政策の計画段階から、もっと市民や中小企業の声を聞いて、議論が百出してもいいから、実質的な施策を練り上げていってほしいと思います。
―――――石田議員は北九州をどのような街にしていきたいと思っていますか。
石田:
私は民主商工会出身の第1号の議員です。ですから中小企業の振興が一番の願いです。
モノ作りのしっかりした基盤があり、緑が多く、魚や地元の美味しい食材に恵まれた北九州が、私は大好きです。
中小企業がいきいきと活動し、経営が安定して、そこで働く従業員の皆さんが安心して暮せる、そういう街に是非していきたいと思います。
福岡市と比べて、北九州がどうのこうのという人がいますが、北九州は北九州の特性があり、モノ作りに誇りと自信を持って自分たちの将来像を描くことが大切だと思います。
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